第2話

家に帰るといつも笑顔で迎えてくれる姿がなく、不審に思いながら明かりのついたリビングに入る。




気配はあるのに、本人は見当たらず。



スタスタとソファに向かえば、スースーと微かに息遣いが聞こえ、近寄るとソファに丸まって寝ている愛しい姿。



猫のような寝方に「ふ、」と声が零れて、静かに横のソファにかける。



少し吊り上がった目が閉じられて、無邪気に眠る寝顔を横目に、煙草を取り出し口に咥える。




いつもは俺が帰ってくるまで起きてるのに、今日は遅すぎたか。



既に日付が変わっている時計を見て、キッチンに視線を移せば、ラップのかかった料理がそこに置いてあり。




いいっつってんのに、



呆れる笑いを落とすと、「んー、」寝言を言いながらゴロリと寝返るソイツ。



そっと頭を撫でればふにゃりと笑みを浮かべて。




無防備な寝顔に、何故か初めて会った時のことを思い出した。








Attract—惹かれる—

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