第2話
家に帰るといつも笑顔で迎えてくれる姿がなく、不審に思いながら明かりのついたリビングに入る。
気配はあるのに、本人は見当たらず。
スタスタとソファに向かえば、スースーと微かに息遣いが聞こえ、近寄るとソファに丸まって寝ている愛しい姿。
猫のような寝方に「ふ、」と声が零れて、静かに横のソファにかける。
少し吊り上がった目が閉じられて、無邪気に眠る寝顔を横目に、煙草を取り出し口に咥える。
いつもは俺が帰ってくるまで起きてるのに、今日は遅すぎたか。
既に日付が変わっている時計を見て、キッチンに視線を移せば、ラップのかかった料理がそこに置いてあり。
いいっつってんのに、
呆れる笑いを落とすと、「んー、」寝言を言いながらゴロリと寝返るソイツ。
そっと頭を撫でればふにゃりと笑みを浮かべて。
無防備な寝顔に、何故か初めて会った時のことを思い出した。
Attract—惹かれる—
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます