確かにこのお話は、今最近流行っているような成り上がり系でも、最強系でもありません。平和な日々は、見る人にとっては退屈で平凡で、物足りないお話でしょう。
けれど、些細なことで笑い合って、困って、時には怒って、悩んで。
そんな風に日々を重ね、絆を深めていくヴェルとグリュンが、どんなに愛おしくて大切なものか…それはきっと、読んだ人にだけ伝わるかと思います。
次々に襲い掛かる強敵もあまりいなければ、続々と試練が押し寄せてくる訳でもない。
しかし───『生きる』とは、まさにこんな生活ではないでしょうか?
「物語の中ぐらい、違う自分でありたい!」という気持ちも分かります。ですが、ほんの一瞬だけでも良い。のんびりとした、心穏やかな日々を覗いてみて欲しいです。
きっとこの、どこまでも優しくて幸せな世界を、好きになると思います。