ダンスの実力は天下無双だと言われてる君も布団の魔力には勝てないらしい

ひぶうさぎ

ダンスの実力が天下無双な君も布団の魔力には勝てないらしい

「も、もうちょっと寝かせて……」


 前で布団にくるまりながら声を発するのは、幼馴染の三町梓みまちあずさ

 ダンスの全国大会で何度も優勝しいる新進気鋭のダンサー……らしい。

 その実力は天下無双と呼ばれる事もあるそうだ。

 もっとも、今の場面を見るだけだとただの朝に弱い人なのだが。


「ほら、早く起きろ。いくら休日だからって寝てばかりじゃダメだろ」

「え~、せっかくの休日なんだからダラダラしようよ~」


 小さいころから接しているが、梓のこの性格は一生矯正できないものだと思う。

 数年位前に梓が自分から行動する、と宣言したことがあったが、二日で俺に助けを求めてきた。

 せめて三日は持ってほしかった。


 自堕落で布団から体を起こそうとしない。

 それが俺が知る三町梓という人物だ。







 しかし彼女は世間で言われているように天才でもある。


 布団から起き上がったことでやる気になった彼女は今、先日優勝したダンスの大会の振り返りをしている。

 自分の課題やライバル達の自分にはない良い点を見つけている彼女は、先ほどまで布団から起き上がろうとしていなかった人物のようにはとても見えない。

 寝起きこそあんな感じだが、努力は欠かさないタイプでもある。


 寝起きさえどうにかすれば、完璧になるのに。

 俺はそう思って仕方がない。

 まあ人間だから一つくらい欠点があってもいいか。


 そんなことを俺が考えている間にも、彼女は修正点をどんどん見つけていく。

 自分が出来ていなかったと事を見つけて沈んだり、ライバルの凄いところを再確認して喜んでいる彼女は、間違いなく世間で言われているような少女だった。


「優! 見てよ!ここ凄くない!?」

「俺、ダンスは専門外なんだけど……」

「いやいや、ここの凄さはダンスをしてない人にも分かるよ!」

「凄いのは分かるんだけど、何が凄いのか分からないんだって……」


 こういうところでも、ダンスに夢中なんだろうなというのはよく伝わってくる。

 やっぱり彼女は努力家だ。

 こういうのを見ると、幼馴染として自分も頑張らないと、という気持ちになる。







「眠い……起きたくない……ずっと布団にくるまっていたい……」


 だけど、次の日彼女の家に訪れた時は予想通り布団の中にいた。

 昨日はカッコよかったのに。

 

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ダンスの実力は天下無双だと言われてる君も布団の魔力には勝てないらしい ひぶうさぎ @tomato_p

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