聴く
夜雨燈前夢未闌,
雲開月淡照空山。
芳心已許花燈下,
素影猶隨水自還。
願君不負江湖遠,
我亦長懷歳月安。
一念深藏星斗下,
餘生莫問路多艱。
訓読:
夜の雨は 灯のほとりをしとしとと濡らし
夢はまだ その終わりを知らぬまま
雲がひらけ 淡き月が
遠く静かな山を やさしく照らしていた
心はすでに 花燈の下にてあなたへ託し
水に映る影のように
過ぎし日々を抱きながら それでもここへ還ってきた
どうか――
遥か江湖を行くその途にあっても
想いを見失わぬように
わたしもまた めぐる歳月を
ゆったりに あたたかく 胸のなかで灯し続けよう
ただひとつの願いを 星の下に深くしまい
たとえこの先 どれほどの道が険しくとも
もう、迷わない
ーーーーーーーーーー
後書き:
この詩は、『雪の刃』第175話に寄せた一篇。
過ぎし想いに応えるように、詩集に収められた「蓮」の詩へ――
凛音から、灯火の夜に捧げる返歌です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます