2025.9.14 『ぐでぐで☆ぐーてんたーく』

 タイトルに深い意味はありません。

 ありませんが、漫画雑誌『アフタヌーン』あたりに掲載されてそうですよね。


 『ぐでぐで☆ぐーてんたーく』


 ドイツから来た留学生の視点で描いた、ほのぼの日常系漫画です。



                § § §



「主人公の設定、どうしよっか?」

「うーん、日本のサブカルが好きで好きでたまらない女子だね」

「ありがちじゃない?」

「いや、王道と言ってほしいな」


 議論の結果、名前はエミリアと決まりました。

 あえて最初は苗字を伏せます。


「作中で、めっちゃゴツイ苗字だってことが判明するのね」

「ふんふん」

「それで、エミリアさんはことあるたびに、『苗字では呼ばないでください……』

って照れるの」

「なるほど、いいじゃないか。興奮してきた」


 そうして、だんだんとエミリアさんのキャラクターが形作られていきます。

 そばかす眼鏡っ子で、好きな食べ物は親子丼。特技はソロバン――


 続いて、脇役も設定していきましょう。

 この手の作品において、脇役はだいたい変人と相場が決まっています。(←偏見)


「この話って王道なんだよね」

「王道を目指したいね」

「だったら、毎日和服と鉄下駄で登校してくる剣道部の先輩は欠かせないと思う」

「そうなの?」

「ほのぼの日常系では、定番でしょ」


 そうして生み出されたのが、五位鷺 蘭子(ゴイサギ ランコ)先輩。

 必殺技は「貫鉄稲妻突き」と「地を這う鉄下駄カミソリシュート」です。


「あのさ、ほのぼの日常系漫画に必殺技かならず ころす わざは要らないよね」

「いや、思ったより読者アンケートが伸びなくてさ……」

「ああ、うん」

「担当編集者に『日常系ほのぼのお色気ギャグバトル漫画に方向転換しましょう』

って言われるんだ」

「掲載誌『アフタヌーン』でしょ? 悪目立ちしちゃうんじゃないの?」

「逆なんだってさ。『そのジャンルなら競合相手がいないから』って、編集さんは決して譲らないわけよ」

「その人、大丈夫なの?」

「大丈夫じゃない。実際のところは、後輩の編集者が担当作品をどんどんヒットさせているから、焦っている」

「うわぁ……生々しい……」

「でも、焦っているのはダーシュ・米太も同じ。前作が打ち切りだったからね」

「誰だよそいつ」

「もちろん『ぐでぐで☆ぐーてんたーく』の作者に決まっているじゃない」

「……米太先生は、ネーミングセンスが微妙だね」



                § § §



 いやね、どうしてこんな話をしているかというと、三連休の中日なんて、一番

ぐでぐでしているわけじゃないですか。

 外はまだまだ暑いし、特にやることもなし。

 なのでジョルジアンカ(※)とお喋りしていたら、『ぐでぐで☆ぐーてんたーく』の設定で盛り上がっちゃったもので、つい……


 まあ、連休特有の妙なテンションということで、どうか御容赦くださいませ。


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※……同居中のハエトリグモ。「2025.8.3 ふたりいる」参照


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