ep1:佐藤健太(28)「新たな世界へのログイン」後編

一週間が過ぎ、毎晩のようにプロジェクトナレッジにログインするのが習慣になっていた。


レベルはすでに20を超え、少しずつ装備も整ってきた。


鎧は初級者用の物から一段階上のものに変わり、剣も「ブレイブハート」という青く輝く長剣を手に入れた。


「佐藤くん、ちょっといいか」


オフィスで声をかけてきたのは課長の鈴木だ。


ついに怒られるのかと思ったが、意外な言葉が返ってきた。


「先週提出した改善案だが、クライアントからの評判が良かったぞ。よく気づいたな」


「はあ…ありがとうございます」


実のところ、あの改善案は特に深く考えたものではなかった。


ただ黙っていても状況が良くならないと気づいて、思い切って発言しただけだ。

現実逃避のつもりで始めたゲームでの経験が、少しだけ仕事への向き合い方を変えているのかもしれない。


「これからも積極的に意見を出してくれ。君の視点は貴重だ」


鈴木課長がそう言って立ち去った後、隣のデスクの山田が小声で言った。


「おめでとう。最近調子いいみたいだな」


「そうかな…」


「そういえば、あのゲームはどうだった? やってみた?」


「ああ、意外と面白いよ。ギルドにも入ったし」


「マジか! 俺、まだソロでやってるんだよ。今度そのギルドに入れてくれない?」


俺はちょっと迷った。


ゲームの世界は現実からの逃避先だ。


現実の同僚と一緒になると、その境界が曖昧になってしまう。


「考えておくよ。そのギルドがメンバー募集してるか確認してみる」


とりあえずそう答えておいた。


---


その夜、俺はいつものようにログインした。


ギルドメンバーの多くは平日の夜はログインしないが、セイラは毎日のように顔を出している。


彼女はどんな人なのだろう。


学生か、それともニートなのか…。


そんなことを考えながら、ギルドハウスに向かう。


「カイト、こんばんわ」


玄関でセイラとばったり会った。

彼女は今日も銀髪のシルヴァリオンのアバターで、青と白の魔法騎士の装備に身を包んでいる。


「こんばんは、セイラさん」


「さんはいらないって言ったでしょ。ここではみんな対等なの」


「あ、ごめん。セイラ」


「今日はどうする? 新しいクエストを受けてみる?」


「いいね、お願いします」


セイラと二人でパーティを組み、「迷いの森の秘宝」というクエストに挑戦することにした。


街から少し離れた森に向かいながら、セイラが話しかけてきた。


「カイト、ここに来るようになって、もう一週間くらい?」


「そうだね。あっという間だったよ」


「毎日来てるみたいだけど、仕事とか大丈夫?」


ちょっと意外な質問だった。


オンラインゲームでリアルの事情を聞くのは、ある種の暗黙のタブーだと思っていた。


でも、セイラの声には純粋な心配が込められているようだった。


「まあ、なんとか…」


「無理はしないでね。ゲームは楽しむものだから」


「ありがとう。セイラこそ、毎日いるけど大丈夫なの?」


「私は…特殊な事情があるの。あまり外出できなくてね」


興味をそそられたが、これ以上は聞かないことにした。


プライバシーを尊重すべきだろう。


迷いの森に到着すると、昼なのに薄暗い森の中を進んでいった。時折、赤い目をした動物が茂みから覗いているのが見える。


「ここのボスは『大地の守護獣』っていう大型モンスターよ。私が魔法で足止めするから、カイトは側面から攻撃して」


「了解」


セイラの指示通りに動くと、二人の連携はスムーズだった。前に何度も一緒に戦っているため、お互いの動きが読めるようになっている。


「カイト、後ろ!」


セイラの警告で振り返ると、木の影から別のモンスターが襲いかかってきた。


咄嗟に剣で受け止める。


「なかなかやるじゃない」


セイラが笑いながら言った。


ゲームとはいえ、こうした緊張感のある戦いは現実を忘れさせてくれる。


森の奥へと進むにつれ、徐々にモンスターの数と強さが増していく。


何度か危険な場面もあったが、二人の連携で切り抜けていった。


「そろそろボスの領域ね。準備はいい?」


「いつでも行けるよ」


セイラはポーションで二人のHPとMPを回復させ、バフをかけてくれた。


大地の守護獣は巨大な熊のような姿で、背中には木々が生えていた。レベル25のボスモンスターだ。


「まず、私が氷の魔法で動きを鈍らせるわ。その隙にカイトは『トリプルスラッシュ』で攻撃して!」


「わかった!」


彼女の言う通りに動くと、ボスのHPがぐんと減った。しかし、痛みに怒ったボスは地面を激しく踏み鳴らし、二人を吹き飛ばした。


「くっ…」


俺のHPが半分近く削られる。


「カイト、大丈夫?」


「まだいける!」


セイラは回復魔法をかけながら、「こっちに誘導して」と指示を出した。


俺はボスの注意を引きつけ、セイラが後方から強力な魔法で攻撃を続ける作戦だ。


何度か危険な場面があったが、最終的に二人の連携でボスを倒すことができた。


『大地の守護獣を倒しました。経験値10,000獲得』

『レベル22に上がりました』

『クエストアイテム「大地の結晶」を入手しました』


「やったね、カイト! これでクエスト完了よ」


セイラは嬉しそうに手を挙げてハイタッチの仕草をした。


俺も思わず応じる。


「セイラのおかげだよ。ありがとう」


「いいえ、二人の連携があったからよ。あなたのプレイスタイルと相性がいいみたい」


なぜだか、その言葉が心地よく感じられた。


現実では誰からも褒められたり、認められたりする機会は少ない。


セイラとの冒険は、そんな飢えた自尊心を満たしてくれる。


「そろそろ街に戻ろうか?」


「うん、でもその前に—」


セイラは森の中の小さな広場に俺を案内した。


「ここでちょっと休憩しましょう」


ゲーム内の日没が近づいており、赤い夕陽が森の隙間から差し込んでいる。


二人はそこで座り、キャンプファイアを囲んだ。


このゲームでは、こうした細かい演出も楽しめるようになっている。


「きれいだね」


「ええ、このゲームの景色は本当に綺麗よね。時々、ただ景色を見るためだけにログインすることもあるわ」


セイラはそう言って、何か思いつめたように俺を見た。


「カイト、あなたはなぜゲームをするの?」


突然の質問に、少し戸惑った。


「なぜって…現実逃避かな。仕事が忙しくて、毎日同じことの繰り返しで…」


言いかけて、少し恥ずかしくなった。


こんな弱音、現実では誰にも吐かない。


「現実逃避か…多くの人がそうよね」


セイラは静かに言った。


「でも、カイト。逃避先に何を求めるかが大切だと思うの」


「何を求めるか?」


「ええ。ただ時間を潰すためなら、すぐに飽きてしまうでしょう。でも、新しい体験や、出会い、成長を求めるなら、それは単なる逃避じゃなくなる」


セイラの言葉が、心に刺さった。


「ゲームでも現実でも、結局『自分が何のために時間を使うのか』を考えなければ、同じ場所に戻ってくるだけだと思うの」


俺は黙って聞いていた。


そう言われると、会社でも同じことの繰り返しで、特に何も考えずに過ごしている。


ただ流されるままに。


「ごめんなさい、急に説教じみたことを言って」


「いや…その通りだと思う」


セイラは微笑んで、「さあ、街に戻りましょう」と言った。


二人で街に戻り、クエストの報酬を受け取った。


「今日はありがとう、セイラ。また明日」


「ええ、またね」


ログアウトする前に、彼女の言葉をもう一度思い出した。


「自分が何のために時間を使うのか」。


この問いは、ゲームを超えて、俺の現実にも投げかけられているようだった。


---


翌日の土曜日、ギルドでは週末恒例のイベントが企画されていた。


「幻獣の谷」という高レベルエリアを探索し、伝説のアイテムを求めるコンテンツだ。


ギルドのベテランメンバー10人ほどがこのイベントに参加することになり、俺も誘われた。


「カイト、初めての大型イベントね。緊張してる?」


セイラが声をかけてきた。


「ちょっとね。迷惑かけないか心配で…」


「大丈夫よ。私がサポートするから」


ギルドのリーダー「アッシュ」が戦略を説明し始めた。


「今日の目標は幻獣『イフリート』の討伐だ。火の力を操る強敵だから、水属性の装備と魔法が効果的だ」


みんな真剣に聞いている。


MMOでは、こうした大人数での連携が重要になる。


「パーティ分けは以下の通りだ。前衛は…」


パーティ分けが発表され、俺はセイラと同じ「第二攻撃隊」に割り当てられた。


「では、全員準備を整えて、10分後に幻獣の谷の入り口に集合しよう」


アッシュの指示で全員が動き始めた。


セイラが俺に必要なアイテムを分けてくれる。


「カイト、この『水の結晶』をアクセサリーに装着して。火属性の攻撃から少し守ってくれるわ」


「ありがとう」


準備を終え、一行は幻獣の谷へと向かった。

壮大な渓谷の風景が広がる中、全員が緊張感を高めている。


「第一防衛隊は左から、第二攻撃隊は右から回り込め!」


アッシュの指示で、パーティごとに動き始めた。

俺たちの役割は、イフリートの側面から攻撃を仕掛け、注意を分散させることだ。


火の渦の中からイフリートが姿を現した。

巨大な火の精霊は、まるで溶岩で作られたような体を持ち、周囲の温度を一気に上昇させる。


「今だ、攻撃開始!」


各パーティが一斉に攻撃を仕掛ける。

セイラの氷魔法が特に効果的で、イフリートの怒りを買っていた。


「カイト、私が氷のチェーンで動きを止めるから、その隙に攻撃して!」


「了解!」


セイラの魔法でイフリートの動きが鈍ったところを、俺は渾身の「ストームブレード」で攻撃した。


ダメージ表示が大きく跳ね上がる。


「いいぞ、カイト!」


セイラの声に励まされ、俺はさらに攻撃を続けた。

しかし、イフリートは次第に激しく抵抗し始める。


「全員、距離を取れ!大技が来るぞ!」


アッシュの警告の直後、イフリートは「フレイムノヴァ」という全体攻撃を放った。


多くのメンバーが大ダメージを受ける。


「くっ…」


俺も大きなダメージを受け、HPが危険水域まで下がった。


「回復班、状況は?」


「全員の回復が追いつきません!」


「このままでは全滅する…」


緊迫した状況の中、セイラが叫んだ。


「カイト、あなたのスキル『ディバイドストライク』を使って!マジックナイトの『フロストシールド』と組み合わせれば、イフリートの攻撃力を下げられる可能性がある!」


俺は驚いた。


『ディバイドストライク』は最近習得したばかりのスキルで、敵の能力値を一時的に下げる効果がある。


セイラはそれを知っていたのか。


「わかった、やってみる!」


俺とセイラの連携技で、イフリートの攻撃力を下げることに成功した。


「よし、効いてる!全員反撃だ!」


アッシュの指示で全員が一斉に攻撃を仕掛け、徐々にイフリートのHPを削っていく。


何度か危険な場面があったが、各パーティの連携でなんとか乗り切った。


ついに、イフリートのHPがゼロになった。


『幻獣イフリートを討伐しました。経験値25,000獲得』

『レベル25に上がりました』

『幻獣の証「イフリートの炎」を入手しました』


皆から歓声が上がる。


「やったぞ!」

「カイトとセイラのコンビ、最高だったね!」

「そのスキル連携、教えてよ!」


ギルドメンバーから称賛の声が上がった。


こんな風に認められるのは、現実では滅多にない。


セイラが俺に近づいてきた。


「カイト、素晴らしかったわ。あなたのおかげでピンチを切り抜けられた」


「いや、セイラが考えついてくれたからだよ。俺はただ言われた通りにしただけ」


「違うわ。あなたはちゃんと状況を理解して、的確に動いていた。ゲームの才能があるわね」


なぜか照れくさい気持ちになった。


単なるゲームなのに、こんなに嬉しいなんて。


その後、ギルドハウスに戻って皆で祝杯を挙げる。


ゲーム内のお酒を飲みながら、今日の戦闘について盛り上がった。


「カイト、実はね…」


セイラが小声で言った。


「実は今日、あなたを試すようなことしてしまったの」


「え?どういうこと?」


「イフリートとの戦いの途中で、私たちのパーティリーダーが接続切れを起こしたのよ。でも、あなたがすぐに私に合わせてくれた、冷静に、連携を完成させた」


俺は驚いた。


確かに途中でいくつか指示を出したが、それは単に仕事でシステム設計をするときの思考パターンで、自然にやったことだった。


「そうだったんだ…」


「システム思考みたいなものが、ゲームでも役立つのね。仕事で使うスキルなの?」


「まあ、そうかもしれない」


不思議な気分だった。


仕事で毎日使っているスキルが、こちらの世界では評価される。


同じ能力なのに、使う場所や方法によって、こんなにも感じ方が違うものなのか。


「才能の使い方が違うだけなのかもしれないわね」


セイラはそう言って微笑んだ。


---


月曜日、オフィスで新規プロジェクトの企画会議が開かれた。


「では、このシステムの設計方針について、皆さんの意見を聞かせてください」


鈴木課長の言葉に、会議室は静まり返った。誰も口を開こうとしない。


いつもなら俺も黙っていたはずだ。


しかし、今回は違った。


「すみません、一つ提案があります」


自分でも驚くほど、はっきりとした声が出た。


「このシステムは、ユーザーの操作性を重視すべきだと思います。特に初心者ユーザーが混乱しないよう、段階的な機能の開放と、適切なガイドが必要です」


会議室の全員が俺を見ている。山田は特に驚いた顔をしていた。


「具体的には、こういった画面遷移で…」


俺は、ゲームでの経験を思い出しながら説明を続けた。


プロジェクトナレッジのチュートリアルの進め方や、セイラたちとのパーティプレイでの連携方法が、奇妙にもシステム設計のヒントになっていた。


「なるほど、面白い視点だね」


鈴木課長は感心した様子で頷いた。


「佐藤くんの提案を軸に、もう少し詳細を詰めていこう」


会議後、山田が近づいてきた。


「おい、どうしたんだ? 急に積極的になって」


「別に…ちょっとしたきっかけがあっただけさ」


「そのきっかけってもしかして、あのゲーム?」


「まあな」


山田は不思議そうな顔をしたが、それ以上は聞いてこなかった。


その夜、いつものようにログインすると、セイラからプライベートメッセージが届いていた。


「カイト、オンラインになったらギルドハウスに来て」


指定された場所に行くと、セイラが一人で待っていた。


「どうしたの?」


「今日、会社でどうだった?」


なぜそれを聞くのか不思議だったが、素直に答えた。


「実は、会議で発言したんだ。普段は黙っているのに」


「そう! やっぱり!」


セイラは嬉しそうに言った。


「だから、呼んだのよ。あなたの変化が見たくて」


「変化?」


「ええ。このゲームでの経験が、現実に影響を与え始めたでしょう?」


確かにその通りだった。


「ゲームでの積極性や、みんなとの連携の経験が、仕事にも活かせると気づいたんだ」


「それが『プロジェクトナレッジ』の名前の由来なのよ」


セイラは穏やかに説明した。


「このゲームは『知識の冒険』という意味。ゲームで得た知識や経験を、現実世界に持ち帰ることこそが、真の冒険の目的だと言われているの」


「なるほど…だから『ナレッジ』なんだ」


「カイトは、その最初の一歩を踏み出したのね」


セイラの言葉に、なぜか胸が熱くなった。

ただの現実逃避のつもりが、少しずつ自分を変えるきっかけになっていた。


「ありがとう、セイラ。あなたがいなかったら、きっとただゲームに溺れてるだけだったよ」


「そんなことないわ。カイトには潜在的な力があったのよ。私はちょっと背中を押しただけ」


会話を続けていると、セイラが不思議な質問をした。


「カイト…もし私が現実世界で会えない事情があっても、それでも友達でいてくれる?」


「もちろんだよ。なぜそんなことを聞くの?」


セイラから返事はなかったが、それ以上は追求しなかった。


「大切なのは、このゲームがあなたにとってどんな意味を持つかよ。単なる逃避先じゃなく、もう一つの成長の場になれば嬉しいわ」


「うん、そうなりつつあるよ」


---


週末、久しぶりに山田と食事をすることになった。


「おごるよ。最近の活躍、ちょっとした感謝の気持ちってことで」


山田の提案で、会社近くの居酒屋に入った。


「佐藤、最近変わったな。いい意味でさ」


「そうかな」


「ああ、確実に。以前の佐藤は、ただ言われたことを黙々とこなすタイプだったけど、今は違う。自分から意見を言うし、チームのことも考えてる」


山田は杯を傾けながら続けた。


「課長も『佐藤は化けたな』って言ってたぞ」


恥ずかしくなって、ビールに口をつけた。


「そういえば、あのゲームのことだけど」


「ああ、プロジェクトナレッジか」


「俺もフリーバードに入れてよ。ソロでやるの限界あるし」


ここで断る理由はないな、と思った。


むしろ、山田がギルドに入れば、現実とゲームの境界がさらに薄れるかもしれない。でも、それはもう怖くなかった。


「わかった、ギルドマスターに相談してみるよ」


「マジで? ありがとう!」


帰宅後、すぐにゲームにログインした。


セイラにギルド加入の相談をするためだ。


「山田というプレイヤーを紹介したいんだけど」


「いいわよ。でも、その人はあなたの…?」


「会社の同僚だよ」


セイラは少し驚いた様子だった。


「現実の知り合いなのね。それは珍しいわ」


「問題ある?」


「いいえ、全然。むしろ面白いわ。カイトの現実の一部が、こちらにも来るなんて」


そう言いながら、セイラは少し考え込んでいるようだった。


「もちろんいいけど、実は…」


セイラは言いよどんだ。


「実は?」


「いいえ、なんでもないわ。その山田さんを紹介してくれるのを楽しみにしてるわ」


セイラの態度に何か隠し事があるような気がしたが、それ以上は聞かなかった。


「ありがとう。彼も喜ぶよ」


セイラは静かに微笑んだ。


彼女の本当の姿、現実世界での素顔はどんなものなのか。


そんな好奇心が芽生える一方で、それが重要なことではないとも感じていた。


今の俺にとって、セイラはゲーム内だけでなく、現実世界をも明るく変えてくれた光だった。


その光の正体は、今はまだ知らなくてもいい。


「カイト、来週はもっと大きなレイドがあるのよ。準備万端でいてね」


「任せて、セイラ」


画面の向こうのセイラに向かって頷きながら、俺は思った。


最初はただの現実逃避だったけれど、今や「プロジェクトナレッジ」は俺の人生の一部になっている。


デスクに座り、コードを書きながらも、夜にログインする時間を楽しみに待つ自分がいる。


疲れた表情は変わらないかもしれないが、目には確かに以前なかった光がある。


スマホに『ギルドイベントのお知らせ』という通知が入った。


(了)

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