3. まさかのアーサー女王

リビングの隅で、小さく丸くなっていた二匹。


「おいで」と優しく手を伸ばすと、茶トラの方は興味津々に近づいてきた。

ふんふんと鼻を鳴らして、こちらを観察している。


やっぱり堂々としてる。うん、やっぱりアーサーだ。

一方、サバトラはちょっと警戒している様子。

でも、そっと抱き上げると、意外とあっさりと落ち着いた。


「よしよし、大丈夫だよ。」


安心したように喉を鳴らす姿に、私は少しホッとした。

……そして、ふと気になったことを確認する。


「えっと……アーサーは……えっ、女の子!?」


「えええっ!!?」

二人で同時に叫ぶ。


まさかの事態。

いや、別に性別は関係ないんだけど、アーサー王って言ったらやっぱり男性のイメージが強いじゃん!?


「アーサー王じゃなくて、アーサー女王だね!」


「ははは、でもなんかカッコいいよね。」


もうアーサーはアーサーでいいか。女王様っぽいし。

なんかこう、威厳ある感じが逆に女性的な強さに見えてきた。


そして、サバトラは「マーリン」に決定。

アーサーのそばにいるマーリン……うん、しっくりくる。


驚いたことに、マーリンはすぐに自分の名前を覚えてしまった。


「マーリン?」


そう呼ぶと、小さな頭を持ち上げて、「にゃあ」と小さく鳴く。


「……可愛すぎる。」


もうこの子のために生きていける気がする。

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