三章 権力による圧力(1)
渡辺は、そのことをスタッフと街宣活動の準備をしている時に聞いた。
参議院選挙から1年が過ぎようとしていたある日、渡辺は党のスタッフから次のように聞いた。
「草矢壮一さんが、自分の動画配信で『命の選別ともとれる発言』をしたようです」
草矢壮一氏は、先日の参議院選挙の曙新党立候補者の一人である。渡辺同様当選はできなかったが、今後の選挙には一緒に闘って欲しいと考えていた一人であった。
ーこれが本当のことなら、曙新党の立党の精神に反する発言で、
渡辺は、直ぐに問題の動画を確認し、参議院議員となった足立と小松に会って、今後の対応を相談することにした。
「草矢さんの発言は『命の選別は、政治によって決められる』と理解できるもので、避け難い恐怖を覚えました。と同時に、とても悲しかった。地域で差別と
足立に続いて、小松がこの件で事前に用意していたコメントを、付添者が代読した。
「『命の選別』発言は、
草矢さんは、高齢者について発言されていますが、次は障がい者、難病患者、
最終的には、党としての結論を
2人の意見は、
「直ぐに、命の選別問題の当事者のレクチャーを実施し、党の総会を
渡辺は、大きく息を
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