第22話 保健師からの電話
その日の帰り道はいつもよりも何だか疲れていた。
グッタリした状態で家に着くと留守電が入っていた。
「もしもしー、こちら福祉センターの保健師ですがこの前の施設の件なんですが上司と話し合った結果をお知らせしたいと思いましてお電話しました。またかけ直します。」
私は何だか無性にイライラしてしまった。直ぐにその番号にかけ直した。
「あの、私みとしろと申しますが留守電頂いてたのでお電話しました。」
そう言うと直ぐに担当の人と代わった。
「あ、もしもしみとしろさんですか?あの、この前の件なんですが…」
「すいません。もういいですとお伝えしましたよね?自分達でどうにかするので。」
保健師さんの話を遮った。その時に泣きついて縋り付いた方が良かったのかもしれないが、この前の発言がどうしても許せなかった。
「あと、生後1か月の保健師訪問も来て頂かなくても結構ですので。」
もう、関わりたくないと言う気持ちで一杯だった。
「あ、そうなんですね。みとしろさん、上のお子様の時も保健師訪問されてないですよね?」
保健師さんは「あー、ハイハイ。」みたいな感じで言って来たような気がした。
いや、だから何?何でいまその事言うの?ダメな母親とか言って説教したいのか?私は只々、腹が立って仕方なかった。
「そうですが。それが何か?では失礼します。」
怒鳴ってガチャ切りしてやろうかとも思ったが、向こうも建前上こうやって心配してるアピールをして居るのだから抑えろ!と自分に言い聞かせた。
電話を切るととてつもない虚しさが襲って来て、この世の中は皆、敵なのではないだろうかと思ってしまう程に落ち込んだ。
そんな中でもお腹の赤ちゃんはピクピクと動いている。ああ、神様もっと心穏やかに妊婦ライフを過ごしたかった。
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