第14話



 携帯が鳴った。

 アイザック・ネレスは目を覚ましてサイドテーブルに手を伸ばし、ロクに相手も見ず出た。

「……ふぁい……もしもし……?」

『ザック、起きてるか?』

「なんだお前か……おい~~! ダニエルおまえ今何時だと思ってんだよ!

 6時16分じゃねえか 起きてねえよ! 今日は10時入りだから俺は8時まで……」


『PDAで【アポクリファ・リーグ】のサイト見ろ! 大変なことになってるぞ!』


「はあ? 【アポクリファ・リーグ】のサイト……? なんでそんなもん?」

『いいから見ろ!』

「なんだよお前からいきなり掛けて来て……大変なことになってるってなんか事件か?

 でも【獅子宮警察レオ】からは別に緊急……」

 サイトを開いた途端、アイザックの顔色が変わる。


「おい、なんだよコレ いつのこと?」


『さっき中継が終わったばかりだ。お前知らなかったのか? 俺はミルドレッドに電話で叩き起こされて……凄かったぞ。ああ! とにかくお前には知らせたから! じゃあな!』


 アイザック・ネレスは画面の中で、容赦なく殴り合っている二人の後輩の姿を見ると、昨日の昼の白々しい態度の理由に行きついて、激怒した。



「あ、あいつらあああああああああーーーーーーッ!」



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