第9話 話し合い

 ———2日後


「……んぁ、アタシ死んだ?」


 生きてるのは確かだが確認を取る。


「生きてるよ、まぁ、2日で起きるのは想定外だが」


「グレン寝てないでしょ? 目の下のクマやばいよ」


「患者の容態を見るのも医者の勤めだ。まぁ、それで体調崩しちゃ意味ないがな。じゃあ俺は寝るわ」


 そう言ってグレンは部屋を出て行った。

 さて、とりあえず———


「話し合いでもしますかね」




 ◇◆◇




「てことで門の創造よろしく!」


「アンタねぇ……結構キツイのよ、門の創造。と言うか場所は?」


 アキルがゲンナリした顔で聞き返す。


「ホワイトハウスの大統領室」


「……は?」


「だぁかぁら! ホワイトハウスの大統領室!」


「……戦争でもおっ始める気? 流石にそれなら止めないといけないんだけど……」


 アキルが蒼白した顔で返す。

 別に戦争をおっ始める気はない……返答次第では。


「なぁに、話し合いだよ。話し合い」


「それ殺戮の隠語か何かかしら?」


「ひでぇな、文字通りだよ」


「……監視はさせてもらうわ」


「好きにしろよ。アタシは平和的解決を望んでいるだけだぜ?」


「アンタの言う平和的解決って信用ならないのよね」


 流石に傷つく。

 ケイトちゃんだって平和的な解決を望む時だってあるんだぜ? 


「まぁ、いいわ。門の創造やるから話し合いしてきなさい」


 そう言ってアキルは指をパチンと鳴らす。

 すると空間に黒いゲートが生まれた。


「あんがとさん。じゃあちょっくら行ってくるわ」




 ———ホワイトハウス 大統領室


「ハロー、新任大統領さん? とりあえずお話ししようぜ?」


「な……一体どこから……」


 大統領はびっくりした様子でこちらを見る。

 無理もない、急に現れたんだからな。


「まぁまぁまぁ、とりあえず話をしようや。前任者からアタシの話は聞いてるだろ? で、アタシに喧嘩を売ったわけだ。ちゃんと落とし前つけなくっちゃあなぁ?」


「殺人鬼が何を……」


「おいおい、勘違いしてねぇか? その殺人鬼を雇ったのはお前らの国だろ? ケイトちゃんだってムカつく時くらいあるんだぜ? まぁ、要件は簡単だ。今すぐアタシ達を殺しにかかるのをやめろ。今回はそれで許してやるよ。後、ローズの身柄はこっちで預かる。それだけで許してやるよ。逆さ吊り事件は嫌だろ?」


「……あまり調子に乗るなよ小娘風情が! 我が国の全霊をかければ貴様1人殺すことなど……」


 そうかそうか、そう言う回答に至るのか。

 なら返答は簡単だ。


「やってみろよ。まず最初にお前が送り込んできた奴らを殺す。次にお前の家族を殺す。そんでもってその次は国民全員殺す。最後はお前を殺す。ジョークじゃないぜ? アタシと言う厄災はそれくらいできる。後はついでに秘密プロジェクトの大公開でもしてやろうか?」


「何を戯言を———」


「戯言じゃねぇよ。マジだよ、大マジ。なんなら今外で待機させてるシークレットサービスから皆殺しにしてやろうか?」


「……ッ! なぜ分かった?!」


「それくらいわかるさ。ざっと数えて10人、20秒持てばいい方じゃねぇかな? ……さて、返答を聞こうか」


 大統領は黙り込む。

 ここまでの会話で嫌と言うほど殺気を飛ばした。

 気絶しない程度にだが。

 さて、賢い返答は来るかな? 


「……ッ、分かった! 条件を飲もう!」


「よろしい、これからも良いビジネスパートナーでいようぜ? そんじゃあな」


 そう言い残してアタシは門を潜り抜ける。


「あぁ、それと……約束を反故にしたらマジで国ごとぶっ殺すから」


 最後に特大の殺意をぶちまけて帰る。

 大統領のやつ泡吹いてたわ、笑える。




 ◇◆◇




「てなわけで平和的解決に成功しました! 褒めろ!」


「なぁにが平和的解決よ?! 完全に脅しじゃない?!」


「まぁ、そう言うなよアキル。アタシにしては平和的だぜ? 十代の頃なら確実にホワイトハウスがレッドハウスになってたぜ?」


「……あー、もう! 心臓に悪い! とりあえずは様子見ね。そう言えばローズがアンタのこと探してたわよ」


「お、弟子が探してるなら行ってやるか」




「ケイト、私と手合わせしろ。本気で」


 ローズは覚悟を決めた目でそう言った。


「意味わかってる? いや、分かってるか。死ぬ覚悟は出来てるんだろ? なら、やってやるよ」


「出来てる。私はあくまで仕事を全うするだけだ」


「……ふーん。今更見捨てられたのにか?」


「それでもだ。私の存在理由はケイト、お前を殺すことだ。だから私はお前と……お前の全力をねじ伏せる!」


「いいね! 気に入った! なら、最後の殺し合いをしようじゃないか」

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