第7話爆発

「ケイト、1人で行くの?」


 アキルがアタシを呼び止める。


「まぁな、館の防衛固めた方がいいだろ? 雪奈は人斬りを良しとしないだろうしな」


「ですが、緊急事態です! 私も少しくらいなら役に立てるはずです!」


 雪奈が叫ぶ。


「お前に人殺しは向いてねぇよ。地獄の美影に笑われるぜ? まぁ、十万殺しのケイトちゃんに任せときなって。あ、アキルは魔力探知で敵の場所教えてな」


 そう言ってアキルに無線イヤフォンを渡す。


「さっき探知した時は下から20来てた。森を突っ切ってストレートで来てる。決着は森でつけなさい」


「オッケー、そんじゃまぁ、行ってくるわ!」


 そう言ってアタシは雨の中蒼葉邸の下にある森に飛び込んだ。




 ◇◆◇




「さぁて……出てこいよ、有象無象共が」


 その言葉に反応するかのように弾丸が飛んでくる。

 夜にしては良い弾筋だ。

 アタシ相手以外なら。


「当たるかよ。仮に死角無しにしてもアタシにはあたらねぇぜ? それよか早く殺し合おうや」


 さっきのは威嚇射撃だろう。

 相手はこっちの手の内を知っている。

 なら、話は早い。

 ぞろぞろとローズと瓜二つの顔をした少女達が現れる。


「趣味悪いなぁ、ちょっとだけ殺しづらいじゃんか」


 そんな言葉を吐いてアタシは脚に力を込め筋肉を膨張させ、弾けさせる。

 いつもやってる瞬間移動の初見殺しを披露する。

 だが、全員目で追っているのが分かる。

 ……どうやらローズのデータを移植されてるらしい。

 とりあえず1人に突っ込んでから考えるとしよう。


「…………!」


 カウンターの仕込みナイフによる音速切りが飛んでくるが関係ない。

 アタシを殺そうとしたら急所を狙わざるを得ない。

 なら、そこで折ればいい。

 ナイフを手折、首筋を爪で切り裂く。

 まずは1人ぶっ殺した。


「さぁて、次だ」


 再び瞬間移動を連打する。

 森は最適だ、木々を利用し縦横無尽に駆け巡る。

 2人目、3人目……次々とぶっ殺していく。

 アキルから無線で残りの人数が逐次報告される。

 残り1人。

 だが、アレは他とは違う。

 明らかに強い。


「お前、ハイエンド個体か? 強いだろ? さっきからアタシの攻撃全部避けてるもんな」


「……ケイト・リード、紅い獣、お前の殺戮行為には我が国はうんざりしている。いや、世界そのものがお前を邪魔だとしている。ここでお前と言う悪を断つのが私達の使命だ。それが19人も簡単に殺された。やはりお前は異常だ」


「あら酷い、殺せって要求してきたのは世界の方だぜ? それを今更用無しになったから殺そうとか都合良すぎだっつうの」


「お前のせいで今まで何人が死に、何人が悲しんだと思う?」


「知るかよそんな事。弱い奴は死ぬ……それか何をしてでも生き足掻くしかねぇんだよ」


「……やはりお前は悪だ、異常だ、人の形をした怪物だ。ここで殺す」


「長話は終わったかい嬢ちゃん? ならどちらかくたばる迄殺り合おうじゃないか」


 瞬間、目の前の少女が姿を消す。

 結局はアタシの猿真似かよ。

 起動は読めてる。

 速度が足りてない。

 3……2……1……0タイムアップだ。


「…………?!」


「何ビビってるんだよ? お前如きがアタシを殺せると少しでも思ったのか?」


 少女の足を掴みそのまま地面に思いっきり打つける。

 ぱきり、と少女の頭蓋が割れる音がした。

 終わりだ。


「諸共に死ね」


「は?」


 瞬間、少女の身体が爆発する。

 ……んだよ最初から自爆するつもりだったのかよ……


「……あー、流石にキツい……な、内臓ぐちゃぐちゃだぜ……はぁ……」


 そのままアタシは地面に倒れ伏す。

 腕は丸こげ、内臓はぐちゃぐちゃに飛び出て全身大火傷。

 こりゃ流石に死んだかな、アタシ。

 そこから先は暗い景色しか見えなかった。

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