きつね巫女🦊イン・ダ・ハウス!
一二三ケルプ
第1話 三島邸のおねぇさま
1 赤居みどり
私、赤居みどり。
ぶっちゃけ、私って、ビックリするほどフツー。
顔も、スタイルも、勉強も、なにもかもがフツー。
トホホなくらい、フツーの人。
で、そんな私なんだけど――たった今、ぜんぜんフツーじゃない状況にいます。
私の目の前にいるのは、一人の若い女性。
えぇ、美人です。
だけど彼女……なんかめっちゃ怒ってます。
こめかみに青スジが、もぉ、ピッキピキ!
そんな風にキレまくってる人を見たら、誰だって逃げたくなるものでしょう?
はい、もちろん私だって逃げたいです。
でも――逃げられません。
なんでかって言うと、私、めちゃくちゃ足がすくんでいます。
だから、その、動きたくても動けないんです。
カッチカッチに、足が石&棒!
おまけに目の前にいるこちらの若い女性――透明なんです。
つまり、何と言うか、白く透き通ってらっしゃいます。
プラス、空中にフワフワって浮かんでる感じ。
煙みたいって言えば、わかりやすいかな?
『逃がさないわよ……』
彼女が、私にそう言ってきます。
ヤバいです。
とにかく顔面がヤバいです。
目がつり上がってて、口が耳もとくらいまで裂けてます。
あ、あの、ちょ、ちょっと待ってください!
私、何にもしてません!
クラスメイトの
ホントです! 信じてください!
私は、ムリヤリ……。
でも――透明な女性の怒りは、まったくおさまる気配がありません。
私、たぶん、今からこの女性に殺されます。
呪い殺されるんです。
なぜなら、この人――どう見たって幽霊なんですよ。
しかも、悪霊系。
女性の幽霊が、私に両手を伸ばしてきます。
首を絞めに来るような感じ。
これは、もぉ、逃げられません……。
一体、どうしてこんなことになったんでしょう?
思いっきり目をつむり、私はこうなった原因を考えます。
そう……これは百パー、狐野くんのせい!
狐野くんが、私をこんな目に合わせた張本人!
悪いのは、全部狐野くん!
あとは、まぁ、私がイケメンに弱いから……。
すべては、今日の放課後にさかのぼります。
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