「工具持ち」になった瞬間、彼の人生が本当に始まった。
ユーリが整備士として“初めて自分の手で責任を持つ”このエピソードは、派手な展開こそありませんが、だからこそリアルで温かい。
小さな傷を見逃さず補修し、システムチェックを慎重に行い、任務を終えたあとの、静かで確かな達成感――この手触りのある描写が本当に素晴らしいです。
何より、ただの整備じゃない。“妹を守るため”“生きるため”に働くユーリの姿が、静かな切実さと熱を持って胸に迫ります。
背後に現れたアーヴィン隊長の存在も含め、「大人になるってこういうことか」と思わずにはいられない一話。
成長とは、誰かの役に立てる自分になること。
この物語は、その最初の一歩をとても丁寧に、美しく描いてくれています。