第2話 ふわふわ抱きつきフライング
さっそく東京ふぅふーふんふ山形の人気アトラクションを紹介する。その名称は、夢の中のことなので、どうしても曖昧だったのだが、その乗り心地と内容から、
『ふわふわ抱きつきフライング』
と、名付けたい。
夢の中、特有の『謎の理解力』で、これが人気アトラクションなのだと私は知っていた。それなのに、行列に並ぶことも無く、あっさり乗れてしまった。これも、夢の中の『矛盾謎現象』である。
そして私はまず、大きな抱き枕の様な物に抱きついた。両手で抱えた状態で足は立ったまま、そのままだ。
すると、抱き枕が浮き出し、上昇、空をふわふわと飛び始めた。
ここからはアトラクションらしく、決められたコースを飛んで行く。それほどの高度では無いが、やたらと楽しい気分だった。
ちなみに、安全ベルト等は一切、無かった。つまり両腕の力だけでしがみつき、落下をしのいでいるのだが(足は宙ぶらりん)、全く辛さは無く、ただただ楽しい。空を飛ぶ夢の亜種の感覚だと、思ってもらえると正解だろう。
そして、私がアトラクションを楽しんていると、いつの間にか、空飛ぶ抱き枕は、コースを外れ、園内から外へと向かって行く。その内、街の一般道路(山形市の道路?)の上空へと、移動していた。
ふと、下をのぞくと、ちょうど駅伝が開催されていた。何人もの選手が一生懸命に走る最中、私は抱き枕でお気楽に空を飛んでいる。
私はそしてアトラクションの特性を理解する。
「このアトラクションはこのまま自分の家まで帰ることができるんだった!便利だ!」
そして、目が覚めた。
これがおそらく、私が東京ふぅふーふんふ山形のアトラクションに乗った1回目である。
抱き枕の回収はどうしているのだろう……。
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