第27章:星と闇の激突

 闇の王の周囲に黒い炎が渦巻き、空間そのものが歪んでいく。


 「来い、《星を渡る者》よ!」


 その声が響いた瞬間、闇の王は一瞬でエリオスの目の前に現れ、黒き刃を振るった。


 キィィンッ!


 エリオスは《星渡の剣》で受け止めるが、衝撃が全身を貫いた。圧倒的な力――まるで大地そのものが砕けるような一撃だった。


 「ぐっ……!」


 エリオスは後方に吹き飛ばされ、床に叩きつけられる。


 「エリオス!」リナが叫ぶ。


 しかし、エリオスはすぐに立ち上がった。


 「大丈夫だ……こんなところで負けるわけにはいかない!」


 彼は剣を強く握りしめ、星の力を解放する。剣先から放たれる光が、暗黒の空間に一筋の輝きをもたらした。


 「星の光が……!」


 リナが息をのむ中、エリオスは剣を振り上げた。


 「《星光剣》!!」


 無数の光の刃が闇の王へと降り注ぐ。しかし、闇の王は嘲笑しながら手をかざし、黒い障壁を生み出した。


 ズォォォ……!


 光の刃は障壁に吸い込まれ、跡形もなく消え去った。


 「無駄だ。《星の光》は、すでに私の力の前では無意味なのだ……!」


 闇の王は巨大な黒き魔法陣を展開し、闇の波動を放った。


 「……ッ!」


 エリオスは剣を構え、リナは魔法障壁を張るが、圧倒的な力に吹き飛ばされる。


 「くそっ……!」


 倒れ込んだエリオスの前に、闇の王が悠然と歩み寄る。


 「お前の運命は、ここで終わる」


 黒き刃が振り下ろされる瞬間――


 ピシャアアアア!


 エリオスの胸元に輝く《星の欠片》が閃き、全身を包む光が爆発した。


 「なに……!?」


 闇の王が驚愕する中、エリオスの中から新たな力が解放される。


---------------------

覚醒する真の力

 エリオスの意識の中に、再び星の王の声が響いた。


 「エリオス……お前の中に眠る《星の力》を完全に解放する時が来た」


 「俺の中に眠る……力?」


 「そうだ。お前は《星の継承者》なのだから」


 エリオスの体が輝き、星の紋様が浮かび上がる。


 《星の欠片》が完全に共鳴し、彼の剣が真の姿を現した――《星神の剣》。


 その刃はまばゆい光を放ち、まるで宇宙そのものを切り裂くような神聖な輝きを放っていた。


 「……俺は、もう迷わない」


 エリオスは剣を構え、闇の王を真っ直ぐに見据えた。


 「星の光が、闇を貫く――!」


 そして、運命の最後の戦いが始まる――!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る