第13章:風の賢者・カイロス
突如現れた男は、優雅に杖を振ると、《闇の使者》の残骸を完全に霧散させた。
「お前たち、無事か?」
彼の落ち着いた声に、エリオスはようやく緊張を解いた。
「助けてくれてありがとう。でも……あなたは?」
男は静かに微笑みながら名乗った。
「私はカイロス。風の賢者の名を持つ者だ」
「風の賢者……!?」
エリオスとリナは驚いた。賢者とは、古代の知識と力を受け継ぐ者たちのこと。彼らの力は、世界の理に関わるほど強大だと言われていた。
「なぜここに……?」
「この谷には《幻影の試練》があり、迷いを持つ者は必ず幻に囚われる。だが、星の欠片を持つ者が現れたとあれば、放っておくわけにはいかなかった」
カイロスはエリオスの胸元を指した。
「お前の持つ星の欠片……それは、世界の命運を握るものだ」
エリオスは思わず拳を握りしめた。
「俺はまだ、欠片の本当の力を知らない……でも、世界を救うために、もっと強くならないといけない」
カイロスは満足そうに頷いた。
「ならば、お前に教えよう。この世界に隠された《星の記憶》のことを」
「《星の記憶》……?」
「それこそが、星の欠片の本質。そして、お前がたどるべき運命の鍵だ」
カイロスの言葉に、エリオスは新たな決意を胸に刻んだ。
旅はまだ続く。
そして、彼が知るべき真実もまた――。
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