第十二篇 びっくりするくらい

びっくりするくらい、人の言葉は届かない


例えば僕を救ってくれたミュージシャンの言葉も、どうやら、知らない人の方が多そうだ


違う人間なんだから好みも含めそれはそうだろう


とは思う一方


生きづらさは皆同じような気もする昨今


だから単純に言葉って届かないんだと思う


今にも死んでしまいそうな人が


悠長に歌やら本やらを嗜む余裕があるとも限らないし


だから、例えばこの僕が


こうして書いてる言葉なんて


本当に、本当に、届いてないのだろう


言葉は無力だし


有名になれたとしても


その言葉が届くのはごく一部なんだろう


それでも皆が生きづらくて


皆が不幸な顔をしてしまってるこの現代を


憂うしかないのはとても寂しく


届くって思いたいし


人を助けたい気持ちは嘘じゃないって言いたいし


自分が許せない感情は本物だ


世界が不幸であることを許せなくても


できることは少ない


僕は頭を使いたい


この言葉をもっと多くの人に届けるにはどうすれば良いのだろう


なんで自分はこんなに無力なんだろう


言葉は無力じゃない


言葉は僕を救ってくれた


だから言葉は届くんだ


だから僕は


言葉を届けられる力が欲しい

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