手記より

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 享世1587. 7. 8


 マグノリアが我の元を訪ねた。

 幼子を預けてきた時以来か。

 成人した女の姿だった筈だが、子どものような見た目になっていたことには驚いた。

 顔を見るなり、禁術の書をどこへやったか、と訊かれ、それを見せれば、怒鳴られ地の神力で足を固められた。

 そして、追ってくるな、と舌打ちしながらマグノリアは出ていった。


 何時も彼奴は急なのだ。

 碌に説明もせぬまますぐ姿を消す。

 話せば少しは理解が得られようものを。


 言葉足らずは我もなのだろうが。


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