第3話

足が痛い……


転んだときに足を擦りむいたようだ。夢なのに痛みのリアルさなんて求めてない。これが夢だってことは分かっているのだ。言いたいことがあるならハッキリ言ってほしい。


私は再び命綱の松明を拾い上げて、仕方なく前に進むことにした。


夢だと自覚しながら見る夢というのも不思議なものだ。しばらく歩くと、少し横に広がった空間があり、鍾乳石とおぼしき石の群が見えた。

 

鍾乳石の前に誰かが置いたような光沢のある黒曜石があった。今回は転倒しなくて良かったなと安堵して刻まれた文字を読んだ。


七日目は『リリ』、八日目は『ン』、九日目は『ト』。

なぜか七日目だけ二文字だ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る