第9話 夫婦生活の書斎から➁

 その学問好きというか、学問馬鹿というかの2人が、その後どうなったかというと、その書斎で男と女の関係になって、結婚を誓い合ったのである。

 その経緯については、証言者によって内容が異なっている。

 人間界にも、魔界にも性愛に関する書物がある。2人は、それについても議論をした挙句、

「どうですか?顔を近づけると、心臓の動きが高まりますか?」

「確かに高まっています、魔王様はお美しい方ですから。ああ、逆から言うと、私の顔が魔王様の顔に近づいていますが、どうですか?」

「ええ、私の心臓も高まっています、信じられないくらいに。」

 それがどんどん進んで、全裸の状態で、

「乳房やここを揉むと、舌で嘗めると、女性は気持ちよくなり・・・。乳首も立って、下半身から・・・。」

「殿下こそ、私が舌を使っている場所が大きくなっていますよ。」

 最後は、汗びっしょりになって、

「足腰がたたなくなって・・・最後にこの体位でためしてみましょう。」

「さっきも同じことを・・・分かりました。・・・これでどうですか?」

「あ~。」

その後さらに・・・の結果というのが一つ。


 別の証言では、10日以上も議論を重ね、体が臭って来たのではないかということになり、

「そ、そうですか?私は臭くなっています?」

「い、いや、私の方こそ臭くなっているのでは?」

 では、お互いに嗅いで調べてみようということで、互いに嗅ぎ合っていると

その体臭に欲情が刺激しれて、本能全開となり・・・最後は二人ともぐったりとなつて・・・というのが二つ目。


 さらに、臭くなったとの侍女の証言で浴室に・・・何故か二人で入浴ということになり、

「魔族の女性の体とは・・・人間と同じですね。」

「魔族も色々な種族があるので・・・我が種族は、殿下と同じですね。少しは、違うのかと思っていましたわ。」

「お互いの書に間違ったことが書かれていたようですね。でも、陛下のお体はお美しい。」

「そんな・・・殿下のお体も・・・。何か、気持ちが・・・。」

 体を洗い終わると、王太子は魔王をお姫様抱っこして書斎に・・・そして・・・、一晩中、魔王の喘ぎ声が・・・。どうして王太子が、書斎に直行したかというと、慣れない他人の城で、思いつくところが、魔王の書斎しかなかったからである。

 その他色々あるが、とにかく結果としては、書斎での議論の果てに、2人は男女の関係になり、愛し合い、結婚を誓ったということで一致しているのである。


 そもそも両国の和平のために、王太子が女魔王の城にやってきたのだから、このような結果は喜ばしいことであり、両国の和平締結、2人の結婚ということでめでたしめでたしということで終わるはずだった。

 実際そうなったのである。二人とも独身で、色々な事情から婚約者というものもいなかったので、問題は、結婚についても問題はなかった・・・はずだったし、和平が2人の結婚で固いものになるのだから、政治的にも問題はなかったはずだった・・・。


 だが、現実はそうとはならなかったのである。


 まず、スギ魔王国大公ヘル・ハアが、このままでは国を乗っ取られるとして反旗を翻した。これに、人間との共存に反対する魔族が集まっている。戦況は、女魔王ジョアに不利だった。他方、アトピ王国はスギ魔王国の内乱を見て、そのうちスギ魔王国がアトピ王国に侵攻するだろうとして、先手を取るとして、侵攻を開始した。もちろん、王太子ティはそれを止めようとしたが、宰相のヒスタ・ミンは、国王命だとして聞こうとしない。スギ魔王国との国境線にティの領地があることから、ティはそこで侵攻を阻止しようとしているが、戦況は押されている。


 詳しい戦況等について、ナイーブとジョアは、サイナとマクロに説明した。それが終わると、しばし沈黙があった。マクロは、大きく深呼吸した。そして、口を開いた。

「私達は、お二人に全面的に協力いたします。」

と答えた。2人はホッとした表情になるとともに、その次を待つ顔になっていた。

「まずは、聖女の支持は反乱軍とアトピ王国の宰相にはないことを公にし、この二人とそれに集まる側には聖女の加護は与えない、お二人の側にだけ与えると宣言し、実行します。それから、援軍を呼びます。」

 二人の顔は、パッと明るくなるとともに、サイナは

「?」

 彼女の望む解決法ではなかったからだ。

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