第13話

復学してから少し経って、卒業に向けて就職活動を開始した。

だが、面接にも呼んでもらえない。

どんなに丁寧に書類を仕上げて提出しても。


まれに面接にたどり着けても、復学したのに京都に住んでいないことが問題にされた。

それをうまく答えられず、その時点で相手にされなかった。


私は気付いた。

企業は大卒の学歴を求めているのではないのだ。

応募の条件に「大卒以上」となっていても。

大学で勉強してきたことだけでなく、人間的に成長していることが求められるのだ。


私は大学の成績自体は悪くなかった。

だが卒業することは出来ても、大卒として扱われるにはまだ足りないと言うことだった。


私は不本意ながら、地元の工場で派遣社員として働くことにした。

卒業式を直前に控えてのことだった。

勤めることになったのは、私が望んでいない会社だった。


四国経営情報学部に通っていたとき、会計も少し勉強した。

卒業の記念に「人生の貸借対照表」でも作ってみてはどうだろう。

多分、見事な債務超過になるだろう。


だからあのとき、ろくに仕事が出来ず、編集長から認められるどころか全人格を否定されたのではないのか。

だからずっと、立ち直ることも出来なかった。

だから卒業は出来ても、企業の採用担当者にも評価されなかったのではないか。


私は精神的にもすっかり枯れ果てているような気がした。

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