第4話 セップ
Chapitre 4 セップ
「最近、うるさくありませんか?」
梨田くんの質問に、みもざかさくらのことだろうと思って、
「きゃつらはいつでもうるさいよ」
と、応じた隆之介だった。
「きゃつらって?」
梨田くんが米をとぐ手をとめた。
ん? かみ合ってない? 会話。
「みもざとさくらのことじゃないの?」
「いや、ちがいますよ。大型トラック。や、ダンプかな?」
どう答えたらいいかと黙った隆之介の耳に、彼方から、ゴーッ、という音が届く。
「そういえば先日、干し柿持ってきた叔母も、おんなじようなこと言ってたなあ」
隣町を突っ切る国道に、ダンプが増えた。土建屋の夫が見に行くか尋ねてくるだかする、とかなんとか言っていたような気もする。
「梨田くん、眠れないってあるの?」
「いや。そんなことないですよ」
あやうく、「ひとりで寝てんの?」、と問いそうになり、あぶない、あぶない、いらぬ誤解を招くところだった、と隆之介は少し冷や汗をかいた。
「ふだん静かなところじゃないですか。だから音は気になっちゃいますよね」
繊細だな、梨田くん。半分感心しつつ、隆之介が輸入のレンズ豆を水で戻していたときだった。荷台部分の両脇に、出前箱ふたつをつけたオートバイが、じゃりじゃりと音をさせながら、駐車場に入ってくる。窓にまわって外をのぞくと、ヘルメット姿のさくらが、裏口の先の菜園の横で、カブのエンジンを切り、バイクスタンドをたてようとしているところだった。
「かっこいいね」
「そうっすね」
「出前にさくらありだな」
「コンテストがあれば、優勝しそうですね」
正直、さくらのハンドルさばきがあってこそのデリバリーだ。
「プラスチック容器は、味気ないですもんね」
そっちのほうが、だんぜん手間がかからない。でも、ビストロ奥寺には似合わないんだよ、と、妙なプライドを持っている隆之介でもあった。
「冬にもバイクが使えればなぁ」
雪の日に出前が入れば、長靴をはいた隆之介か梨田くんが、こごえる手でおかもちを運ぶ。そして中の料理は、たいていが冷えびえと凍ってしまうのだ。
「そもそも、店に来て食べるもんなんだよ」
そう愚痴りながら、おかもちを受け取ろうと隆之介は、菜園に続く裏口の扉を開けた。
ヘルメットを右脇かかえ、出前箱をひとつずつ手にさげたさくらが、少し放心したように戸口へ向かって歩いてくる。
「ごくろうさん」
急に声をかけられたさくらは、びっくりしたように胸をそらせた。それから笑顔を作って、はーい、とこたえる。ところが戸口に戻ったさくらの顔には、ふたたび困惑の色が浮かんでいたのだ。
「どしたの? 疲れた?」
「んー、やだ、シェフ。疲れるわけないじゃないですか。業務さっき始まったばかりだもん」
裏口横のラックに、おかもちを置いたさくらは、続けた。
「それより、変なんですよ」
さくらには先ほど、別荘地の中尾久仁子のもとへ、ランチとディナーをそれぞれ一食分、配達させたところだった。そのさくらが言うには、中尾久仁子の「顔がヘン」だったそうなのだ。
「いや。あのひと、一般的には美人といわれる部類でしょ?」
そういう隆之介の返答には応えず、さくらは、
「左目がね、ヨーカイウオッチッチみたいで」
と、妙なたとえをした。
「あっ。なつかしい!」
梨田くんが子供の笑顔になった。
「ヨーカイ…」
そのたとえに隆之介が連想したのは、「ゲゲゲの鬼太郎の砂かけババア」だった。
「なんか違う」
砂かけババアでないとすると…。
「お岩さん!」
隆之介とさくらは同時に声をあげた。それからふたりして、
「だから、どうなさったんですか、って聞いたんですよ。そしたら、別荘地は暗くて、扉に顔を思いきりぶつけたって」
確かにこのあたりの夜は暗い。
それにしても少し変だ。五月半ばもとうに過ぎたのに、都会へ帰らないなんて。
「旦那さん、来てた?」
「さあ。今年は店にも来なかったですよね」
「車は?」
「一台だけだったような」
へええ。
「じゃあ、皿引くときに、ちょっと見てくるわ」
自分には関係のないことで、実際どうでもよかったけれど、少しだけ、大人の責任感も見せておかなきゃ、という態度で、隆之介はそう言った。
翌々日は土曜日だった。晴れていた。
早朝六時、隆之介は容器回収用の軽いデリバリーバッグを肩にさげ、徒歩で別荘地へ向かった。
店のミニバンを使うこともできたけれど、別の用事もあったから、天気も良かったし、徒歩にした。
店から別荘地へは、まず一・五キロほど、ほぼ直線の、ゆるい坂をのぼる。両側は見通しの良い広い畑で、一年を通してキャベツや小麦が栽培される。そこから左手へ、十五度ほどのカーブを曲がると、針葉樹や広葉樹が混在した林の中の、別荘地となっていく。
カーブを曲がって五百メートルほどすると、桃生ハルカの借家が見えてくるはずで、隆之介は容器回収を口実に、ハルカの家の様子をうかがおうという魂胆だった。
モンシロチョウが飛んでくる。
農家にとっては、幼虫がキャベツを食い荒らす天敵だが、あまりにものどかに羽ばたいているので、店に客が来なかったら、昼寝でもしてやろうかと考えた一日のはじまりだった。
ところがその先で隆之介は、少々胸がざわつく光景を目にした。
カーブを曲がり終えたところで、
ハンターの、板室くん?
村には朝早くから活動をはじめる人も多く、道で会えば挨拶をして、
ただ、板室伸二がハルカの家の前でたたずんでいる光景はどこか異様で、隆之介は思わず足を止めた。
隆之介に気づいていない伸二は、ハルカの家の郵便受けに、なにやら紙袋を突っ込んだ。それから二歩あとずさった伸二は、顔を伏せて坂をくだりかけた。そこで隆之介に気がついたのである。
伸二がハッとする様子が、遠目に分かった。
伸二は気まずそうに、その場で隆之介をうかがっている。だから隆之介はゆっくりと歩みを進めて、伸二の二十メートルほど手前まで来ると、つとめて明るく、
「おはようさん」
と声をかけた。
歩みの止まっていた伸二は、口の中でもごもごと、あいさつらしきことばを返した。
「桃生先生のとこ?」
隆之介は平静をよそおって、伸二に尋ねた。
「あ、はい」
伸二はそれ以上、口を開かない。
そういうやつだからな、と隆之介は、ことばを続けなかった。だけれど、やっぱり変だ、と思った。少しだけ身体がぞわっとした。伸二は別荘の管理事務所で仕事をするはずだが、どうしてこの時間に坂をくだってくるんだろう。
「板室くん、今日は管理事務所、お休みなの?」
そう尋ねられて伸二はバツが悪そうに、
「いえ、これから」
とだけ答えた。
無精ひげがちょっと伸びた顔は、二十八歳にしては生気が欠けているように見えるが、もとからそんなに快活ではない男である。
髪の毛は整えられていることのほうが珍しく、短くはあったが、いつもボサボサとしていた。目は悪いらしく、ときどき黒ぶちのメガネをかけている姿を見かける。なのに狩猟となると正確に獲物を仕留めるので、隆之介はなぜだかいつも「ぞっとしないな」、と思うのであった。
まさか、まさか、ハルカとなにか関係があるのでは、と邪推もしてみるが、そんな感じでもなさそうである。
足ばやに去る伸二の後ろ姿を見送って、隆之介は深呼吸をした。
こんなおだやかな日に、なんで腐らなきゃいけないの。
そうだ。自分には、本来の目的があったのだ。そう気持ちを切りかえるように隆之介は、ハルカの借家の様子うかがいをする。
これじゃ板室くんと変わらない。
さくらがいたら、本来の目的は容器回収でしょう、と突っ込まれそうだ。
そんな周囲の怪しげな動きをよそに、家のあるじはまだ眠っているのか、玄関わきの格子窓のカーテンは、ひかれたままだった。陽ものぼったが、ドア横の外灯はつきっぱなし。
三十五歳、
そうだな。暖炉に薪をくべながら、ウイスキー片手にふたりで、菌類やジビエの話をする、なーんて、ね。
そんなことを夢想していたら、突然カーテンが引かれた。
ものかげにかくれるとか、自然なポーズをとる前に、目が合ってしまった。
「あれ?」、というように隆之介をみとめたハルカは、鍵をおろすと、格子窓をからからと開けた。慌てる以上に隆之介は、ハルカの格好に釘付けになってしまった。
パジャマだった。
おっと、やべえ。遅めの朝起ちをしそうだ。
目にも鮮やかな、そら色のパジャマ。
だ、誰だよ。いつも裸で寝てるって言ってたやつ。
「どうしたんですか、シェフ」
ハルカのほうから声がかかる。隆之介は観念して、正直に答える。
「別荘へ食器回収に。そしたら板室くんが郵便受けに何か入れてたものだから」
はて、と考えたハルカは思い出したように、
「ああ」
と、言って、窓を開け放したまま、玄関にまわった。そこから、いつものブーツではない、男もののサンダルを、長い足指がむきだしになった素足につっかけて、出てきた。
近くで見るとパジャマには、白斑点のある赤いきのこが、上を向いたり下を向いたり、たくさんプリントされている。
ベニテングタケってやつ?
ハルカは郵便受けを開け、紙袋を引き抜いた。がさごそとさぐられた紙袋から出てきたのは、本だった。
『極める人のキノコ図鑑』
な、なぁんだ。
ハルカの手元を眺めながら、脱力した隆之介に、
「どうぞおあがりください、とお誘いしたいところなんだけど」
と、ハルカは言った。
え?
招いてくれるの?
隆之介は自分の目じりがさがっているんじゃないかと心配になり、
「これからわたし、眠るところなんで」
申し訳なさそうに、ハルカは言った。
「ひと晩中、論文を読んだり、自分のものを修正してたりしたら、朝になっちゃった」
あ。あ。そうなんだ。
居室は書籍や研究機材で、散らかっていそうだった。
「いや。自分も、容器回収したらすぐに、仕込みをしなきゃいけないので」
隆之介はみずから辞退をした。
働く大人たちの朝が、交差する。
パジャマと、それから、お誘い。
朝どれの収穫物が大きすぎて、もう、板室伸二だの、中尾久仁子のヘンな顔だの、どうでもよくなってしまった。
ハルカの借家に比べてだんぜん広い久仁子の別荘の、高床デッキ横の玄関外側に出された、何枚かの白い皿と保温スープ容器をバッグに詰めると、皿どうしがガチャガチャとぶつかり合うのも気にせず、隆之介は坂をかけくだる。
「起きたら、昼のまかない一緒にいかがですかって、ひとこと付け加えるんだったなあ」
かけくだる隆之介のあとを、モンシロチョウが追ってきた。
「あんまりかんばしいうわさ、ないんですよね」
板室伸二はさくらよりも二つ年上で、高校の先輩にあたった。このあたりで高校といえば、公立校が一校あるのみで、みながほとんど、幼稚園や保育園からの腐れ縁である。息苦しいといえば息苦しいが、そう感じる者は、村から姿を消す。板室伸二もどうやらそのうちのひとりであったようだ。
「都会の職業訓練校だかに進んで、そこで就職したらしいですけど、うまく立ち回れるタイプじゃないでしょ? だからいろいろあったらしいですよ」
隆之介はIターンだが、伸二はUターンである。
本当かウソかはわからないが、生活に困窮したあげく、闇グループに入りかけて、警察に保護されたところを、両親に連れ戻されたらしい。
「あくまでもうわさ」
そう前置きしてさくらは言う。
「生活に困窮したのも、勤め先で壮絶ないじめにあったからだって」
「いじめ…」
「うん」
そう答えてさくらはいちど、うわめづかいで隆之介を見た。
「ケツの穴に、鉄の棒突っ込まれたって」
「えっ?」
さすがにひでえ。それはないだろ。
「誰に聞いたの?」
「本人は言わないですよ、そんなこと。その勤め先、他にも被害者がいたようで、逮捕されたみたいですよ、その経営者と部下ども」
戻ってきてしばらくは、心の傷をいやすように、ブラブラしていたらしい。それでも、働く気はあったのだろう。別荘の管理組合事務所に職を見つけた。それから少したって、第一種猟銃免許をとり、冬場には猟師として活動するようになったそうだ。
猟銃免許取得には、精神疾患や犯罪歴がないことが条件になるので、一線は越えずにとどまったのだろうと推測できる。
気の毒にな。
あの、陰うつな雰囲気も、持っている気質が大きいんだろうけれど、そんな経緯があれば、なおさら理解できるかも。
「あ~。中尾さん、いつもきれいに洗ってくれますねー」
さくらがデリバリーバッグから食器を取り出し、明かりに照らしている。
「そのままでいいって伝えてあるんだけどね」
「そういう育ちか、性格ですね」
そうだな。恵まれている人は。いいな。
あとあと、こんなに簡単に、他人の人生を決めつけたことに、隆之介は後悔の念を抱くことになるのだが。
伸二に関する一件があった日より、一ヶ月ほどたった頃だった。その日は「三」のつく、隣町の大型スーパーで、鮮魚が安く売られる日だった。
メカジキをめあてに、魚売り場へ向かった隆之介は偶然、カートに左手を添えながら、牛乳パックを手に取っている久仁子を見かけたのだ。
あ。ほんとだ。まだ帰ってない。
先日、叔母が隆之介に声をかけてきた。
「あんた、別荘のべっぴんさん、知ってる?」
すぐに久仁子のことだとわかった。
「知ってるけど。その人がどうかしたの?」
「
叔母が言うには三週間ほど前、眼帯をした久仁子が、叔父の土建屋にふらっと現れて、窓ガラスをすべて取り換えてほしいと懇願したというのだ。
「懇願、っていうのもおおげさなんだけどさ」
べっぴんさんのお願いは、大袈裟にウワサされがち、かぁ。
「うちは道路工事やダムの建設、補修工事なんかをする土建業で、ガラスは、このあたりでは工務店が一緒に扱ってるよ、って、とうちゃんが、サカキバラさんとこ紹介したの」
「へえ。そんなことがあったんだ」
「なんだか急いでるみたいで、前金でいいから、二重とか三重、防犯ガラスっていうのかしら、そういうのに全部取り換えてくれって注文したらしいよ」
面格子や外灯も一緒に取り付けたから、三百万円を超した作業だったって、サカキバラさん喜んでた。叔母はまるで自分事のように嬉々として喋った。
「ところで、熊でも出たの?」
熊。
聞いてないな。熊と眼帯って関係あるのか?
まあ、ぶっそうなご時世、防犯対策はしっかりとっておいて損はない。女性ひとりならなおさら。
ここまで思って龍之介は考えた。じゃあ、なんで帰らないんだろう。
別荘の住人は、定住した幾世帯かをのぞき、時期が過ぎれば、元からそこにはいなかったというふうに、それぞれの居住地へ帰って行く。そして忘れた頃、またふらっと戻ってくるのだ。
そんな別荘の住人である久仁子が、いつまでもここにいる。
声をかけてみよう、と、龍之介は思い立った。
「中尾さん」
声をかけられて、久仁子は驚いたように振り向いた。
妖怪…。さくらの目撃談を思い出した。だけれど、左目は妖怪という感じでもなく、いたってきれいな、よく観察してみれば、薄い赤紫に見えなくもないけれど、という程度の肌色だった。
声をかけてきた相手に見覚えはあるが、さて、どこの誰だったか、という様子で久仁子は、隆之介を見つめていた。それから、あっ、と短く声を発すると、
「奥寺さん?」
と、隆之介の苗字を言い当てた。
「お買い物ですか?」
「え?」
久仁子は、隆之介の
「ええ。ええ。そうです。マーケットですもんね」
この返答に隆之介は、ちょっと笑ってしまった。つられて久仁子も笑顔を見せた。
「今回は、長いんですね。ご滞在」
「…。そうかしら…」
少しよどんで、久仁子は続けた。
「小学校の夏休み以来だったかしら。ううん。そんなことないわ! 大学生の時も、妹と夏はずっとここで過ごしていたし、お友達もたくさん、遊びに来たわよ」
そう、語気を強めた。
「あ、じゃあ、ぼくが知らないだけだったのか」
「きっとそうよ。だって奥寺さんがこちらに来たのって、五? 四年前?」
「もうすぐ、四年と半分になりますかね」
「ほらあ。わたしのほうがだんぜん長いわ」
そうなんだ。確かに、小学生の頃っていったら、もう二十年以上も前だろう?
そんなに以前から別荘を…、と言いかけた隆之介を遮るように、
「こんなところで立ち話もなんだから」
と、久仁子は言った。
「またお店に寄らせていただきます」
そう言ってレジに向かおうとしたが、久仁子は、いちど歩みを止め、カートだけを置いて、隆之介のそばに戻った。
「奥寺さん、セップがね」
「セップ?」
「そう。セップ」
セップがわかるか試しているようだった。
「きのこ?」
「そうそう! そのセップ」
隆之介は久仁子の、ゆでたて玉子のような上品な顔を眺めた。
「セップが、どうかしたんですか?」
「はえてるの!」
へええ?
「あれ、ほんとにセップかしら」
そういわれても。
「今度、見ていただけない?」
それ、見るの、ぼくじゃなくて、と隆之介は言いかけ、口をつぐんだ。
久仁子と別れて、鮮魚売り場へ向かうと、目当てのメカジキは、残りわずか三パックだった。
うわあ、これじゃ数が足りないな、と声に出したら、鮮魚売り場の店員がとんできて、追加を用意してます、と大声で叫んだ。
その店員がまとめて包んでくれた切り身二十切れと三パックを抱えて、スーパーマーケットの駐車場へ出た隆之介はふたたび、白い外車の運転席側に突っ立っている久仁子を見つけて仰天した。
「まだいたんですか!」
と、張り上げそうになったセリフをすんでで飲み込んで、隆之介は声をかけた。
「とっくに、いらっしゃったかと」
先ほどとはうって変わったように、久仁子はうつろな目をして振り向いた。
目の前は国道だった。一台のダンプが、ゴーッ、という音をたてて通り過ぎていく。
「奥寺さん」
「はい?」
「この道って、どこへ続いているの?」
歌詞か?
「どこって、隣の、海あり県ですよね」
「山奥とか、ダムには、続いてないの?」
「いや。横道に入れば、いくらでも続いているでしょうね」
そんな当たり前の説明に返事もせず、運転席にすべり込むと久仁子は、挨拶もなしで、車を乱暴に発進させた。
へんなの。
抱えていた鮮魚の切り身がしなっていく感覚が腕に伝わり、隆之介は慌てて、ミニバンの後部に積んでいたクーラーボックスのふたを開けると、しきつめられた保冷剤の上に、包みを放り込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます