第3章

第11話 技術の街 "ランビー"

 深い茂みを越えて、工場のような大きな街を見つけたとき、真っ先に走り出したのは竜也たつやだった。リニジオから出発してから約3日、その間は、STBに送られるクエストをクリアしながら、資金や食事の確保をしていた。

 技術の街"ランビー"、たくさんの豊富な技術を持った者が集まる街。王都の隣にあり、国王から直々に選ばれた技術者が多くいる。

「すっげー!あっちこっち宝の山じゃねぇか!部品ごとに分けられて専門の店があるとか最高すぎんだろ!」

街全体を輝かしい目で見る竜也は、聖地巡礼しているオタクのようだ。普段、つまらないボケしかしない彼だが、実はロボットコンテストで賞が取れるほどの実力の持ち主なのである。

「まってよー!竜也ー!うちも見るーー!」

兄の影響でこの分野が好きになった羽奏わかなが竜也同様、走り出した。

「ちょっとお2人さん、待ってくださいっス!見たいものがたくさんあるのはいいことっスけど、ギルドに行くのが最優先っス!エリナさんたちの顔見るっス!」

2人がよしの指す方を見ると、呆れ顔のまきとけん、苦笑いのエリナが立っていた。

「「ごめんなさい、、、」」

竜也と羽奏は、4人に深々と礼した。


~ギルド~

「いらっしゃーい!」

賑やかな声、踊り出す酒場、リニジオにあったギルドとのギャップに竜也たちは驚きを隠せなかった。そんな彼らをおいて、エリナは酒場で机を拭いていた大柄な女性に話しかけた。

「ラータさん、お久しぶりです。」

ラータと呼ばれた女性はエリナの方を見るなり、彼女を力強く抱きしめた。

「エリナかい?久しぶりじゃないか!元気にしてたかい?にしても、エルフはホントに姿が変わらないんだね、何十年も前にあったときと、何も変わってないね。いや、少し背が伸びたんじゃないかい?アタシなんてもう見てわかるとおりババァになっちゃったよ!その若さを保つ特性を分けて欲しいもんだね。」

自分の腕の中で苦しそうにもがくエリナを見て、ラータは、すまないねと言いながら、彼女をゆっくり下ろした。

「この子たちは?」

ラータが、ふと目に入った竜也たちを指した。

「かれらは、私と一緒に旅をしてくれている方々です。右から、ワカナさん、マキさん、ヨシさん、ケンさん、タツヤさんです。皆さん、私の魔力の件を気にかけてくださっているんです。それで、この状況になって、それで、、、」

「それで、今日からこの街でしばらくの間すごそうと思ってるんです!」

段々と言葉の詰まりはじめるエリナの代わりに竜也が簡潔に言った。

「そうかい、そうかい。分かったよ、向かいの宿、私の運営してる宿なんだが、そこに泊まりなさいな。」

竜也たちは、ラータは意外とすごい人だと思った。


~宿~

「ワーーーーー」ボフッ

自室に入った瞬間、力が抜けた竜也は、ベッドに倒れ込んで、STBに来ているグループチャットの通知を見た。。

〔イノシシお疲れ(*^-^)ノ〕

〔誰が、イノシシだ~?まぁ、お疲れ。〕

けんから送られてきたメッセージに竜也が返信する。個々の部屋から連絡を取り合い、これからの計画を立てていく。

〔こっからは、取りあえず、ギルドのクエスト受けまくってくかんじですか?〕

よしがそう送った直後、まきから返信が来た。

〔それもそうなんだけど、ここに来たのって、リニジオのクエストだとレベルが上がりづらいってのと、あと、なんか、エリナさんがやりたいことがあるって言ってた〕

〔あ、その件について、話してませんでしたね。実は、ここ、ランビーには、伝説の凄腕武器職人がいるといわれているんです。〕

まきからのメッセージ受け取って、エリナが書き始めた。

〔皆さんも、段々武器になれてきて、私のためでもありますが、その人を探して、武器を強化してもらおうと思っているんです。〕

エリナのメッセージに竜也は、目を輝かせた。伝説の武器職人、武器の大幅強化、人探し、どれも、竜也にとっては心踊る単語だ。

〔はい、はい、とりあえず今日は遅いから寝なさい!おかんは、心配よ?〕

羽奏のメッセージに竜也たちは笑ってしまった。

〔んじゃ、やすみ~〕

竜也が送信すると、他の全員もおやすみと送って眠りについた。しかし、竜也は胸に残った興奮を抑えられず上手く眠りにつけなかった。

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