不遇水魔法使いの......?
チーズ
少女になった人が見た夢
あの夢を見たのは、これで9回目だった。
「......私は死に続けることになった、何回も、それこそ救うべき物を助けられないのは......トラウマになった。だから、今君に夢を見せている」
これは、悪夢だった。
「君には私を継ぐ者に......不遇なループ主人公である私、サーシャを継ぐのは...君しかいないだろう!!」
この時断ることができなかった。自分の調べが足りなかった落ち度だといえば、そうなのかもしれない。
「私、不遇なループ主人公サーシャを継ぐのは...君だ!!!!」
その、責任逃れの言葉に罵倒することさえできずに......今は、夢を見ている。
「せめて、謝罪してくれたりは、しないのかなぁ......」
なんてことを思いながら、......自分の悪夢は終わった。
「はあ、これからどうしましょうか......」
部屋の鏡を確認するいつもどおりのルーティーンを続ける。その鏡に映っているのは女性.....それも、夢の中のあいつにそっくりだった。
そして私は、目の前の姿を知っている。このキャラクターはとあるアニメシリーズに出てくる。不遇なキャラクターで、主人公ではある。とはいっても、続編に全くでないで、事実上ヒーロー君がシリーズの主人公として扱われているのだが......閑話休題。
......私の状況は最悪といってもいいだろう。最悪なことに本編なら何とかなることが、この世界の歴史が本編通りでは全くないのに本編が進むせいで......積んでしまったアニメ主人公であるサーシャに、世界救済を押し付けられてしまっているのが、私の現状だ。
「私は、もうサーシャになってしまったんですがねぇ......」
口から息を大きく吸って.......口から、息を吐く。本来の主人公であったサーシャならこのような行動はしないはずだった。なのになぜ、しているのか?それは、自分が魔法で体の支配権をもらった......。自分の認識でいえば、押し付けられてしまったからだろう。
「まあ、世界を投げ出したくはないのでがんばりますけど......」
実際、世界救済してね!!はいいよ、うん。世界を救いたい気持ちはわかる。
では、なぜ文句を言っているのか......?
「それでも、もっとましな状況で貸してくれないか?」
この言葉を聞けばわかってくれるかなぁ......まあ、つまり。
「こんな、アポカリプスな状態で......それこそ食料すら手に入りにくい状態で事件を解決しろって無茶だろ......」
原作で起きないはずの、核戦争が起きてしまった世界を救済しろって......。
「原作知識が役に立ちにくいんだよなぁ......」
私にとって、サーシャより優れている部分としては、原作知識しかない。実際私はループできないのだから......彼女のほうが魔法の部分で優れていた。
だがしかし、私にループはできず......だから、魔法もクソな状態で、おまけに原作知識も、核戦争のせいで使いにくい。
「本来の主人公がそのまま世界救うために頑張ったほうが明らかに世界救えるんだよなぁ————————」
結局のところ、サーシャのほうが世界救える可能性残ってるのに、なんで私に任せたんだよ!!と言いたいのが、私なのだ。
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