第18話

「都羽よりは私の方が多少は恋愛してきたから、なんでも相談してきな?」――と。


恋愛初心者の私に、若干の姉御肌を見せ付けるように真衣は凄く得意気だ。



「じゃぁまた明日ね」


「うん。ねぇ都羽」


「ん?」


「良かったね」


「ヘヘッ ありがと」



ダラダラと話が止まらず。


結局お店を後にしたのは4時過ぎ。


真衣とは駅で別れた。



“ これから電車乗るね ”



巧にメッセージを送ってから改札を抜ける。


流れる景色を何気なく見ている私は、久し振りに真衣とゆっくりできたことに満足だった。



「都羽」


「あっ、巧!」



最寄り駅に着くと、駅の外では自転車に跨る巧が本当に待っていてくれた。



「着く前から待っててくれたの?」


「まぁな」


「ありがと~」



約束通り。


なんて優しい彼氏なんだろうか…。


すっかり制服から着替え、私服姿の巧。

TAKUの時のような洗練された格好ではなく、大きめのTシャツとゆるっとしたジーンズの、私好みでもある服装だった。


巧の腕に自分の腕を絡めてギュッと寄り添う。

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