第17話

真衣は自分が注文した飲み物を一口飲み「でもさ」と話始めると、口端をクイッと上げる。



「大切にされてるじゃん? 手を繋いでいるところをみんなに見せて、一気に知名度がアップだもんね」


「犬猿の仲って言われてた2人が突然手を繋いでたら、ある意味不可解じゃない?」



誰もが思うじゃん?


実際はみんなからガン見されたもん。



「その逆の効果を狙ったんじゃない? あいつも頭を使ったのよ」


「どゆこと?」


「だーかーらっ。あのモテ男があんたと歩くのを見せびらかせば女避けになるし、彼女である都羽のことも守れるっていう一石二鳥ってこと」


「私を守るって?」


「 “ 都羽になにかしたら俺が怒るぞ ” っていう事でしょうが」


「あー、そういう…」


「え、なに顔を赤くしてるのよ」


「うるさいなぁ…」



私の顔を覗き込みながらニヤニヤする真衣に揶揄われた。

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