第6話 危機一髪

 今回は桃子のふしぎな夢の話です。


 これは、桃子が社会人になった二十代前半に体験したお話。去年だったか、KACのお題「危機一髪」を投稿しそびれたエピソードです。



 ***



 田舎の実家から電車を乗り継ぎ、会社に通っていた頃、実家から会社まで一時間半かかりました。遠いので遅刻しても寛容な会社でした。


 ある朝、変な夢をみました。炎のような、メラメラっとした夢。うなされるように目を覚ますと、不快ないやな感じがするなぁ。と起きて時計を見たら、電車に乗り遅れそうな時刻でした。


 今から家を出て電車に乗ると、会社には十分の遅刻になる。うーん、どうしよう……。家が遠いので会社に連絡すれば大丈夫だけど、なんでしょうか〈胸騒ぎ〉がします。今日は、絶対遅刻したくない――と考えていたら、たまたま兄が休みで、いつもは絶対送ってくれないのに、珍しく近くの駅まで送ってくれました。そのおかげで、遅刻せず会社に着きました。


 二階の更衣室で制服に着替えてから、下におりたところ、叫び声やパトカーの音? 一階の職場の人が、騒いでいた。


 「何かあったのですか?」

 わたしはパート従業員さんに声をかける。


 「ああ! 隣に建つ古いビルの壁面タイルが歩行者道路に突然おちてきたのよ。畳一畳分がベリっと剥がれるようにね。さいわい通行人がいなかったからよかったねぇ~って話していたところなの」


 従業員のみなさんは、八時四十分に出勤、わたしは八時五十分着、タイルの落下は九時くらい……。十分遅刻していたら、桃子にタイル直撃!? 危なかった~💦 助かった!


 正夢? にしても、あのメラメラ炎の夢じゃ~わたしは危険が分からないけれど、タイルが頭に当たらなくてよかったです。


 九死に一生。みなさまもそんな経験ありますか?



            「危機一髪」   完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る