悪女の私を、ご所望なのでしょう?
はまよつ
00-第四王子への逆襲のプロローグ
「エレーヌ! 貴様は、この国を破滅に導く、悪女だっ!」
絢爛豪華なパーティー会場に、無粋な男の声が響く。
会場内が一斉にざわつき、皆の視線が私に降り注ぐ。
そんな中、私は笑いをなんとかこらえる。
あの第四王子はきっと、周りにいる貴族が私をおぞましいと恐れる、なんて思っているのでしょう。
もしくは、怒りを向けている、とか。
「エレーヌ様……」
「本当にあんなことを……」
しかし、違う。
この視線はすべて、憐れみの目。
あの第四王子の茶番に付き合わされて可哀想に、という意味。
それを知らないのは、さも愉しそうにこちらを見下ろす第四王子と、その横にいる平民女だけ。
――4年間、耐えた甲斐があったわ。
あの4年前の屈辱のお返しをするときが、ついに来た。
「殿下。お言葉ではございますが……」
第四王子に指示されたように、私はその場でドレスの裾をつまみ軽く礼をする。
それが反撃の開始の合図。
覚悟しなさい、ディル・ドレイク・ノルシュタイン。
これから始まるのは、あなたが私を断罪する喜劇ではない。
私が、あなたを断罪する、喜劇よ。
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