第5話 主人公と敵の割合が、物語序盤の場合、敵のほうが多いってありがちだよね





「どう、して」


「どうして、操られていたフリをしていたかって?」


 呆然とする田中千夏さん。

 そして、それを嘲笑う佐藤美沙さん。


「わからないの? 本当に? 私はあなたのことが大っ嫌いだったんだよ。憎んですらいたのに、いつもヘラヘラして、笑顔振りまいて……あぁ、うざっ」


「なっ」


「本当にわからなかったの? 疑問の一つもわかなかったの? どうしてあんたみたいなやつに私が合わせてたのか、考えたことある?」


「そ、それは」


「なに? 驚きすぎて何も言えないの? ハッ、笑える。……反吐が出る」


「どうして……私のことを笑っってのか!」


「うん。一人で盛り上がってる様子なんて、とっっっっても面白かったわ」(邪悪な笑み)


「嘘だ……嘘だっ!」


 いつまでこの茶番は続くのでしょうか


「おい、ナレーション黙れよ。今みいちゃんが頑張ってるんだから」


「──」


「みいちゃんの渾身の悪役っぷりにひれ伏して、恐れ慄かなきゃいけないところなのに、なんでそんな無遠慮なことができるんだよ!」


「お前もだよ!」


 オチが酷いので、この世界線は無かったことにしましょう。


「「お、お前が黒幕かー!」」


 はい、やりなおし〜。



「初動って知ってるか?」


「ん〜。作品の閲覧数、評価数が最初に伸びるか、って言う話?」


「そう、それ!」


「それが?」


「悪いと思うんだ」


「そう?」


「初日、二日目の時点で閲覧数が一桁だったんだぞ! テコ入れが必要だと思うぜ!」


「言うて、今でもまだ五日目でしょ? まだ様子見するべきだと思うけどな〜」


「私たちに残された日は少ないんだぞ!」


「?」


「作者が打ち切りを宣言したら、こんな個人がWebに載せてる作品なんて簡単に打ち切りれちゃうだろ!」


「まぁ、それも私たちの運命だったってことでしょ?」


「やっぱ、人類死すべし……」


「あ〜、闇堕ちしちゃった?」


「今度は作者だけでも……」


「ふふふ、けどこれもまぁ愚かで可愛いよね」


「次こそは……っ! ん、なんか言った?」


「ううん。なんでもないよ」



 

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