第34話 アマゾネスと遭遇

 それから、2か月が経った。魔族が魔法学校を襲撃して以来、魔族は襲撃してこなくなり、平和な日常を謳歌していた。


 今日は、ちょっと心配なアマゾネスがいると言われている近くで狩りをする予定だった。アマゾネスと遭遇して何かいいことがないかと期待を寄せていたので、セレナちゃんも行きたいと言っていたが、無理を言って一人で来たのだ。


 たまに、この森の奥地の地域で狩りをするが、まだアマゾネスと出会ったことはない。アマゾネスというのは、女性だけの部族で、そのため繁殖ができないので、気に入った人がいれば、アマゾネス以外の男性を誘拐したり、脅して子作りをさせるそうだ。もしそのような状況になれば、怖いような良いような、なんとも複雑な気分に思える。


 そんなことを考えながら狩りをしていたら、いかにもアマゾネス!って感じの女性が現れた。そしてアマゾネスらしき女性が口を開いた。日焼けをしているのか肌の色が少し黒く、少し筋肉質だ。服装は、山の中に住む少数民族や縄文時代にいたような、布を少し巻いているだけの軽装な格好をしており、布の面積が少なく、官能的である。しかし、人によって服装が少し違う。身分が異なるのだろうか。


「お前は何者だ。ここで何をしている?」

「狩りをしているだけです。」

「そうか。もしかして、お前は雄か!?」

「はい、雄です。」

「肉は好きか? お酒は飲むか? 好きな食べ物はあるか? 女性経験はあるか? 好きな女性のタイプはどんなのだ?」


 心の中で「ちょっと待てーい」と思った。質問攻めにされるのも困る。


「とりあえず、落ち着いてください。」

「肉を食わせてやるからちょっとついてこい。ただで食わせてやるんだから悪い話ではないだろう。」

「は、はい。」


 などと言われて、無理やり連れていかれた。人に雄と言われたのは初めてかもしれない。あっちにとっては普通の言い方なんだろうが、少し笑いそうになった。そして、とっさに「男です」とは言わず、「雄です」と言ってしまったのだ。予想外のことを言われると、人間まともに反応できないものだ。


 そして、アマゾネスがいっぱいいる村のようなところに連れていかれた。最初に話しかけてきた以外のアマゾネスがこちらを見るたびに「あれは雄か」と言ってるのを耳にした。もし普通の人間の村で自分以外のほとんどの男が死んだら、こんな状態になるのだろうか。


 そんなことを考えていると、族長の所に連れていかれた。


「アマゾネスの村へようこそ、雄よ。君のことを歓迎する。うちには雄がいない。だから、みんな喜んでる。思う存分ご馳走を堪能してくれ。その代わり、やることはやってもらうけどな。あと、逃げないとは思うが、逃げようとすると殺すからな。」


 やることは、やっぱりあのことか。族長と言っても、すごく若く見える。多く見積もっても30代の見た目だ。アマゾネスは、一生涯を若い肉体で過ごすらしいが、なぜだかは知られていない。殺されるのも嫌だし、まだ経験が少ないので逃げる理由はない。アマゾネスたちに身を委ねよう。まぁ、おいしいものを食べて経験ができるなら、悪い話ではないだろう。


 お酒も飲まされた。そして、精力のつくものをいっぱい食べさせられた。カキ、あわび、大豆、エビ、バナナ、チーズ、イカ、鰻、アサリ、ホタテなどなど。


 夜には、アマゾネスの間で俺の取り合いとなっていた。モテモテになった気分は悪くはない。そして、最初に族長が裸になり、族長の相手をさせられた。


 族長が「経験は少ないようだが、悪くない。問題ない」と言っていた。


 姉や母やセレナちゃんが心配するので、早く家に帰らなければならないと思っていたが、一晩で4人以上のアマゾネスの相手をさせられた。それ以上は意識がもうろうとしていて覚えていない。


 夜中になってようやく愛を交わすのが終わったと思い、俺は帰って寝たいと思いながら、複数人のアマゾネスが俺になついたようだった。そして、俺についてくると言い出したのだ。「私が」「私が」と喧嘩している。


 そこで族長が言った。


「ならば、もう一度雄の相手をし、雄が気に入った者1人が一緒について行くのはどうだ?」

「賛成です、族長。」


 と4人のアマゾネスが言った。


「我々アマゾネスも年々数が減ってる。なので、我が同胞が男とともに外に出るのはいいことだ。そこで、お主に魔法を授けよう。その代わり、一人連れてってくれるか? それと、名前は何という?」

「ヴェスクと言います。魔法を授けてもらうならお引き受けしましょう。」


 そして、夜中から朝までまた4人のアマゾネスの相手をさせられた。正直、俺はそんなことより寝たかったが、選ばなければ殺されると感じた。


 でも、魔法が使えないから、今度こそ魔法が使えるようになるかと思ったので、断る理由がなかった。


 それで、俺が選んだのは、可愛くて一番話が弾んだ子にした。名前はラミッサだった。身長は160cmほどで、目がぱっちりしていてとても可愛い子だった。


「旦那様についていけるの楽しみ。よろしくお願いします。」


 とついてくる予定のアマゾネスが言った。

 それから、族長と連れて行くアマゾネスの子に魔法を伝授してもらった。また族長が


 言った。


「ラミッサをよろしく頼む。いっぱい子供を産んでくれ。」


 と族長が言った後に、他のアマゾネスたちが、


「ラミッサをよろしくお願いします。」


 と言った。


 そして、族長によって魔法が伝授されたが、使えなかった。族長が慌てたように言った。


「騙してるわけではないぞ。お主、人間であるが魔法が使えないのか?」

「以前も伝授してもらいましたが、使えないことがあったので。」

「そうか…。すまなかったな。」

「いえ、大丈夫ですよ。」


 そして、アマゾネスのラミッサとともに家に帰宅した。


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