第2話 浮気発覚
″出張だ″
と言った旦那が浮気をしていた。
銀行員が頻繁に出張なんてあるのか?と疑問に思わないほど子育てに必死だった。
私、蓮沼愛子(はすぬまあいこ)は25で結婚をした。
相手は2個上の銀行員で、かなり稼ぎが良かった。
元々、産後は専業主婦を希望していたので、イケメンで高収入な彼は優良物件だと思った。
出会いは友達のSNSだ。
私と友達が写っている写メを見て
″この子可愛い!紹介して″と旦那が言ったことがきっかけだった。
実際に会ってみると気さくな人だし清潔感もあるし、こんな人が私を見つけてくれるなんてドラマの主人公にでもなった気分だった。
運命の出会いだと思ったし、燃え上がるような恋愛をしたと思う。
絶対に上手くいくと思った。
なのに現実はこうだ。
浮気が発覚したとき、取り乱して問い詰めてしまった。
なんの準備もしてなかった。
″証拠もないくせに離婚なんて騒ぐな″
″だいたい、銀行員が不倫で離婚だなんて出世街道から外れるから無理に決まってるだろ″
″専業主婦のお前に一人で娘を養える力があるとでも思っているのか?″
旦那は何も言い返せない私をみると、開き直って不倫をするようになった。
私が旦那をATMとして見切った瞬間だった。
自分はシングルマザーで、娘のために家政婦の仕事をして頑張っている。
そう思うと勇気が湧いた。
この男は、私たちにお金を支払ってくれるお客様だ。
そう思うと割り切れたし、出張という名の不倫をする日は、奴の分の家事をしなくていいからラクだと思えるようになっていった。
しかも娘ちゃんと二人でファミレスに行ける。
娘ちゃんも喜ぶし、私も料理しなくていいし、楽しい思い出ができるからこーゆーのもいいな、なんて思えた。
ただ…どれだけ割り切っても、頑張れても、娘ちゃんの笑顔に癒されても、ふとした瞬間に心が壊れそうになる。
自分が捨てられる寸前のボロ雑巾のように感じることがある。
ボロボロで、苦しくてつらくて、胸が張り裂けそうに痛くて、消えてしまいたい衝動に駆られる時がある。
娘ちゃんのためにも絶対にそんなことはしない、しないけど。
だけど、薬がないと生きていけない。
私の心を満たす養分がないとー…。
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