【完結】クラスごと異世界に転移したはずなのに、気づけば周りに誰もいなくて…。仕方ないから仲間を探しながら、ついでに最強を目指してみることにした。
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第一章、異世界転移
第1話 異世界転移……まじかよ
俺の名前は霧崎朔弥、何処にでもいるただの高校生…。
と、言いたいところなのだが………
なぜか見知らぬ風景が目に入っている。よし状況を整理しよう。俺はさっきまで学校の教室にいたはずだ。黒板にチョークで殴り書きされた数式をぼーっと眺めて、窓の外から聞こえるチャイムの音にうんざりしながら机に突っ伏してた。
なのに、今、目の前には果てしない平原が広がってる。頭が追いつかない。さっきまで硬い机の感触があったのに、足の下にはふかふかの土と草があって、靴底にその柔らかさが伝わってくる。
顔に当たる風がひんやりしてて、思わず空を見上げた瞬間、目が点になった。太陽が二つある。一つは見慣れた黄色で、もう一つは薄い赤で、どっちも眩しくて目を細めないと見られない。教室の蛍光灯の下にいたはずなのに、こんな空の下にいるなんて信じられない。
遠くに目をやると、平原の真ん中にでかい木が一本だけ立ってて、枝に小さな光の粒がチラチラ浮かんでる。あれ、電灯じゃないよな……?
地平線には紫がかった山脈がぼんやり浮かんでて、空の端が夕陽で赤く染まり始めてる。俺、教室からどこに飛ばされたんだ? 夢かと思って腕をつねってみたけど、痛い。風の匂いも、草の感触も、リアルすぎる。心臓がドクドク鳴ってて、頭の中は混乱でぐちゃぐちゃなのに、なぜか胸の奥がざわついて、ちょっとだけ興奮してる自分がいる。
深呼吸して落ち着こうとしたら、ふと気づいた。こういう世界って、たいていあれがあるよな。そう、ステータス画面だ! ゲームとか小説でよく見る、あの能力値とかスキルが表示されるやつ。俺、異世界に飛ばされたなら、それくらいあってもおかしくないよな?
(ステータス!)
試しに心の中で叫んでみたけど、何も出てこない。目の前に浮かぶはずの半透明のウィンドウはどこにもない。ちょっと気まずくなって、周りを見回したけど、誰もいない平原で良かった。
(ステータスオープン!)
もう一回呟いてみる。しかし何も起きない。目の前に半透明のウィンドウが浮かぶどころか、風に揺れる草と遠くの光る木しか見えない。ちょっと肩を落としたけど、まあいいか。とりあえずここが現実であることは確かだ。
足元の土の感触、風の匂い、二つの太陽が放つ眩しい光——全部リアルすぎて、夢じゃないって分かる。頭はまだ混乱してるけど、教室の机に突っ伏してた数分前とは比べ物にならないくらい、心臓がドキドキしてる。こういう世界にはステータス画面があるはずだと思ったけど、出てこないなら仕方ない。じっとしてても何も始まらないし、とりあえず動くことにした。
俺は平原を歩き始めてから、もう数時間経った気がする。最初はあの光る木を目指してたけど、歩いても歩いてもなかなか近づかなくて、足がだんだん重くなってきた。草が靴に擦れるシャカシャカって音と、風が運んでくる笛みたいな音だけがずっと耳に残ってる。
二つの太陽はまだ空に浮かんでて、黄色い方は少し傾いてきたけど、赤い方はまだ高い位置にある。汗が額を伝って、喉がカラカラだ。教室からこんな世界に飛ばされるなんて、せめて水筒くらい持ってきてれば良かったって思うけど、今さらどうしようもない。
ふと、前方に何か動く影が見えた。目を凝らすと、荷物を積んだ馬車を引く男がこっちに近づいてくる。ボロボロのローブに、日に焼けた顔、腰にぶら下がった革袋——行商人っぽい雰囲気だ。俺が手を振ると、男は少し警戒した目でこっちを見てきたけど、馬車を止めてくれた。
「お前、こんな平原の真ん中で何してんだ?」
低い声で聞かれて、俺は正直に話すことにした。
「実は、数時間前まで学校の教室にいたんです。そしたら突然ここに飛ばされてきて……」
行商人は眉を上げて、しばらく黙って俺をじろじろ見つめてきた。
「ふーん、妙な話だな」
そう呟きながらも、男は荷物の中から水の入った革袋を取り出して俺に渡してくれた。ありがたく飲んで一息つくと、行商人が口を開いた。
数時間前、セレニア王国ってところで大規模な召喚魔法が行われたって噂を聞いたぜ。街の酒場で傭兵どもが騒いでた。王宮の魔法使いが何かでかい実験をしたとかで、異世界から人を呼び寄せるなんて話も出てたらしい。お前、それに巻き込まれたんじゃねえか?」
セレニア王国? 召喚魔法? 頭の中でその言葉がぐるぐる回る。俺がここにいる理由がそれなら、納得いく部分もあるけど、まだ信じられない。
「まあ、運が良かったのか悪かったのか知らねえが、生きてるなら何か用があるんだろ。この先の木を越えると、セレニアへの道が開けてくるぜ」
行商人はニヤッと笑ってそう言い残し、馬車を動かし始めた。俺は水袋を握り潰しそうなくらい手に力を入れて、疲れた足を引きずりながらも、もう一度歩き出す決意をした。
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