第5話 クラス

翌朝、目を覚ますと、すでに学校に行く時間だった。


「昨日は色々あったな……」


ゲームの余韻を感じながら制服に着替え、学校へ向かう。教室に入ると、すでにクラスメイトたちがEdenSlayerの話題で盛り上がっていた。


「昨日のイベント、マジやばかったな!」

「レアドロップ全然出なくて泣いたわ!」

「お前ら、今どのランク?」


そんな中、陽キャグループの一人、神崎が俺の方を見て声をかけてきた。


「おい、優希。お前もEdenSlayerやってんだろ?」


唐突に話を振られ、少し驚きながらも頷く。


「ああ、やってるよ。」


「どのくらい強いんだよ? 一緒にパーティ組もうぜ!」


クラスの注目が集まる。俺のステータスはケルの補正がかかっているため、他のプレイヤーからは普通に見えるはずだ。しかし、問題は昨日のレアアイテム『スライムゼリー』だった。


「そういえば、お前昨日『スライムゼリー』拾ったってマジ?」


俺は少し言葉に詰まる。確かに、ドロップしたのは事実だが、1%の確率というのは俺も知らなかった。


「え? それ、1%の確率でしか出ないやつだろ?」


神崎の言葉を受けて、周囲のクラスメイトたちがざわめき始める。


「すげえじゃん、それ使ったらステータス強化と回復が同時にできるんだろ?」


「お前、それ俺にくれよ! 俺、アタッカーだから、チームのためになるって!」


陽キャたちが次々と要求してくるが、俺は内心で困惑していた。


「(いやいや、なんで俺のアイテムを勝手に使おうとするんだよ…)」


その時、後ろからクールな声が聞こえた。


「アイテムは本人のものでしょ?」


振り向くと、クラスのもう一人の有力プレイヤー、天音が冷ややかな視線を送っていた。彼はクラスでも有名なソロプレイヤーであり、無駄な干渉を嫌うタイプだった。


「無理やり要求するのはどうかと思うけど?」


「……まあ、確かにな。」


神崎は少しバツが悪そうな表情を浮かべるが、それでも引き下がる気はなさそうだ。


「まあ、夜のプレイで強さを確認してやるよ。お前、本当に強いのか?」


「……別に、いいけど。」


こうして、夜6時からクラスメイトとEdenSlayerをプレイすることが決まった。果たして、俺の実力はバレずに済むのか……?

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