第23話 ガチャを狂わすのは全ての人間だからだ
本日も13階層のガチャマシンの前にいる。
本日は魔石を25個納めろと出た。
いきなり10個増えないのかと思った。
そうして魔石を25個奉納した。
ガチャマシンからスキル【包帯術】が出た。
スキルによると仲間の治療が出来るスキルらしいが効果が少ないようだ。
だが応急処置ぐらいの効果はあるようだ。
「まあ……無いよりマシか。」
正直、火力系か回避系のスキルが欲しかった俺としてはややガッカリだが、パーティーで動く以上、サポート能力があるのは悪くない。ユキが傷ついたとき、すぐ回復できるのは大きい。
それにしても、最近のガチャスキルは妙に偏っている気がする。
【忍び足】【包帯術】――どちらも補助系だ。
(……これはガチャマシンが俺に何かを伝えているのか?)
そんなわけないか、と首を振りつつ、ふとガチャマシンを見上げた。
冷たく光るスリット、機械的な音声。だがそこに、まるで"意思"があるかのような――そんな錯覚を覚えることが、たまにある。
「なあ……お前、なんでこんなスキルばっか出すんだ?」
もちろん返事なんてない。
だが、その沈黙が妙に意味深に感じるのは、俺の気のせいか。
(……もしかして、人の心に反応してる?)
思い返してみれば、俺が「強くなりたい」と強く願ったときは、戦闘向けのスキルが多く出ていた気がする。
逆に、ユキのために何かしたい、守りたい、そう思い始めてから、【包帯術】など守り寄りのスキルが出てきた。
(まさか……ガチャマシンは、俺たちの“成長方向”を見てるのか?)
そんなオカルトじみた考えが浮かんだとき、ガチャマシンが小さく振動した。
ピッ、と小さな音と共に、電子音声が鳴る。
《次の奉納要求数:???》
「……は?」
表示されたのは、見慣れた数字ではなく“???”の文字列。
「どういうことだ? 数がわからないって……バグか?」
その瞬間、俺の脳裏にある仮説が強く確信に変わった。
――このガチャマシンは、“人間”によって狂わされている。
そして、それに応じて動いている。
俺自身の思考、感情、決断。それがガチャマシンに影響を与え、出てくるスキルも、要求される魔石も変化しているのではないか。
「……なら、俺は試してやるよ。」
そう呟いて、俺はもう一度、ガチャマシンのスリットに手を伸ばした。
次に何が出てくるか、それは運命か、それとも――意思か。
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