第22話 ガチャマシンが俺を進化させる

 本日も13階層のガチャマシンを使う。


 今度は魔石を20個要求してきた。


 獲得数が多くなるほど増えていく仕様なら嫌だな~~~


 獲得したスキルは【忍び足】。


 忍び足で進んでモンスターに気づかれにくくなる。


 なんとも微妙だ。


 モンスターの戦いを回避できるという点では有用だが、俺は強くなりたいのだ。


 次は次の日。


 一日一回ガチャマシンが使えるようだ。


 次の日は30個魔石を要求してきそうだ。


 15階層。


 15階層に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。

 湿った石壁、かすかな血の匂い。これまでの階層よりも明らかに敵意が濃い。


「……罠の気配、濃いね。」


「俺も感じる。油断すれば終わる……そんな雰囲気だな。」


 このフロアでは《連携型モンスター》が出現する。

 単体はそこまで強くないが、数体でチームを組み、囲み、狩る――戦術を持ったモンスターたちだ。


 しかも、床や壁には《跳ね針のトラップ》《毒ガス》《転倒床》など、罠が満載。


「視界が悪いな。ユキ、まずは索敵を頼む。」


「うん、《感知爪》使う。」


 ユキがスッと前に出て、指先を地面に滑らせる。

 すると、爪の感知によって周囲10メートルにある罠の位置がぼんやりと浮かび上がる。


「……左から3メートルの地点、針床。右奥に移動式の罠もある。」


「助かる。じゃあ、こっちから回り込もう。」


 天都とユキは慎重に罠を避けつつ前進する。

 そのとき、背後から小さな物音――


「来たか!」


 現れたのは、《ダークスネーク・パック》。

 3体の黒蛇が連携して動き、分断と拘束を狙ってくる。


「分断される前に――速攻!」


 《重量半減》を発動した天都が真っ先に飛び出す。

 剣を振りかぶり、蛇の一体を牽制しつつ壁際に追い詰める。


 すかさず、ユキが残る2体へと跳びかかる。


「重圧爪!」


 ユキの新スキルが光り、蛇の一体が地面ごと抉られたように倒れる。

 残る1体も天都の連撃で仕留めた。


「連携型でも、バレればただの的だな。」


「でも、これからもっと賢いのも出てくるよ。」


「……だな。気を抜かず行こう。」


 その後も、モンスターと罠が絡み合う複雑な迷路のような階層を進んでいく。

 毒ガスを抜けるためにユキが嗅覚で安全ルートを見つけ、天都が爆風を盾で受ける場面も。


 ついに階層奥の中ボス部屋が見えてきた。


「この扉の向こうが……たぶん、この階層の主だ。」


「回復は?」


「大丈夫。ユキは?」


「問題ない。」


 頷き合い、二人は扉を開いた。


 待ち構えていたのは――

 漆黒の狼モンスター《シャドウハウンド・エリート》。


 これまでと比べ物にならない俊敏性と知性を持った敵だった。


 目の前に立つのは、漆黒の毛並みを持つ大型の狼――

 全身から黒い瘴気のようなオーラを纏い、瞳は赤く、知性の光を宿していた。


「こいつ……ただのモンスターじゃない。」


「うん。強い。しかも……速い。」


 《シャドウハウンド・エリート》。

 高い機動力と、背後に回る瞬間移動のような《シャドウステップ》を使う、戦闘特化型の中ボス。


「来るぞ――!」


 天都が叫ぶと同時に、影が揺らぎ、黒い狼が消えた。

 その瞬間、背後に気配。


「右後ろッ!」


 ユキの声に反応し、天都はとっさに身体を沈める。

 真上から飛びかかってきた狼の牙が、空を切った。


「反応いいな……なら、どうだ!」


 地面に着地した天都は《重量半減》を使い、超加速で地を蹴る。

 軽くなった体で飛ぶように間合いを詰め、すれ違いざまに斬撃を放つ。


「斬った……か?」


 だが、その一撃は空を斬っただけだった。

 狼は《シャドウステップ》で霧のように姿を消し、天都の背後に再び現れる。


「甘い!」


 その瞬間――ユキが割り込む。


「重圧爪!」


 ユキの爪が狼の胴をかすめるように打ち込まれ、爆風のような衝撃が周囲に広がる。

 吹き飛ぶ狼――が、受け身を取りすぐに再び姿を消した。


「クッ……こいつ、反撃の隙が無さすぎる!」


「でも、隙が“全く無い”わけじゃない。」


 天都が息を整え、剣を構える。


「一瞬だけある……《シャドウステップ》の“出現直後”、奴は体勢を立て直す必要がある。その一瞬に賭ける。」


「了解。ユキが囮になる。」


「……!」


「私の動きを見て。合わせて、斬って。」


 ユキが真っ直ぐに狼へ向かって突っ込んだ。

 再び狼が消え、影から現れた瞬間――


「今だ、天都!」


「喰らえ――!」


 天都の剣が閃き、狼の腹部を一直線に裂いた。

 黒い血が飛び散り、狼が呻き声を上げる。


「もう一発!」


「《疾風爪》!」


 ユキの追撃が狼の背をえぐり、今度は避けられなかった。


 狼は呻きながら倒れ――瘴気が霧のように消えていく。


「……倒した、か?」


「……うん、終わった。」


 静かになった部屋。

 二人は無言のまま、肩で息をしながら戦いの余韻を噛みしめた。


 そして、部屋の奥の宝箱が現れる。


「さあ……ご褒美タイムだな。」


 宝箱からはスキルスクロールが出現した。


「これは剛壁のスキルスクロールだ防御スキルだな」


 確か剛壁は結構使えるスキルだ。


 敵のモンスターの攻撃を盾や防具などを身に着けていなくてもスキルだけで防御を展開できるスキルだ。


 咄嗟に回避できない時とかにあるとダメージを大幅に軽減できるスキルだ。


 これは売るか取得するか迷うな~~~


 俺は迷った挙句取得することにした。


 これだけレアなスキルは取得しない手はない。


 そうして剛壁のスキルを取得した。


 俺はさらなる高みに上った。


 まだまだいけるそんなことを考えていた。

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