パチンコ
酒、煙草、ギャンブルには決して手を出さない。
周りがその被害者であるのと同時、俺をその道に巻き込もうとまた囚われた友人に嫌々、誘われ――飛行場に横並びするかの勢いの騒音が耳を痛め、店員と親しく初めての客と紹介する光景を横目に、絶妙に生々しいというか、不気味な室内の雰囲気に追いやられ、退店一歩手前で魔の手が空席に導いた。
スロット。
ただの付き合いに訳も分からずに大金叩いて聴力と脳の細胞をぶち壊す行為に走って数分、慣れぬ動きに戸惑いつつも隣の先駆者に見習い、本来の目的である彼の参考になる結婚話に花を咲かせていた。
完全にそっち方向に傾いたところで、突然の嵐の前の静けさが全身を襲い、眼前の画面が鳴り響く。
まだ実感がなかった。
隣人の話題フル無視してまでの興奮に追い付けず、ただ今日……大勝ちしたという事実だけが残った。
何だか、仕事中も上の空だ。
上手く、身が入らない。
あのことが、頭に引っかかっているのだろうか。
彼女とのスキンシップから逃げるようにコンビニに駆け込み、アイスを頬張って頭を冷やす中で、俺は偶然通り掛かった例の店に辿り着き、再熱した。
レバーを回す感覚、ボタンを押す感触、視界全体に映し渡る映像全てが脳に多大なる影響を与えた。
ぐわっーと頭に喰らって。
また、あの思い出が忘れられずに来てしまった。
仕事の休み時間の合間に。
だが、豊作の帰り道、帰宅途中の同僚と出会した。
もう、大きなものを失ってしまった。
でも、まだ辞められない。
そう言えば、彼奴は子供が出来たらしい。
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