ひらめき
その夜、栄子が仕事で海外出張から戻ると、雄樹はぽつりと本音をこぼした。
「やっぱり続けたい」
栄子は真剣な表情で聞いた。彼女は子どもの頃、雄樹に守られた日々を鮮明に覚えている。そのため今でも雄樹に深い感謝と尊敬を抱いている。
「これ見て。出張先で撮った写真」
写真には和服で身を固めた彼女の勤務先のドイツ人 CEO アンネが映っている。
「雄樹がひな人形作りが好きなのは知ってるけど、このご時世だし、生き残りをかけて体力が残ってる内に勝負にでるべきじゃない?」
「勝負……」
「アンネは和服とか、そういう日本文化が好きなの。日本人にとってはありふれたものでも向こうの人にとっては新鮮なことってあるし、雄樹はファッションセンスあるんだからそういうのやってみたら?」
勝負に出る時。確かにそうかもしれない。会社を支えてきた人脈だって、まだ使い道がある。幸い、取引先のデパートや海外のバイヤーの中には、和モダンなブランドや商品を求めている声もあった。
その夜からしばらく、雄樹はリサーチと構想に明け暮れた。
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