第3話「スラム2」
9.オープニング
2024年3月中旬である。
無事にシナリオを書き上げ、スラムのならず者たちとの再戦を果たすときが来たのだ。
GM:はいじゃあ始めますよー。
ミリティアナ:はい。
エルヴィン:はい。
イーリス:はい。
GM:まず一応成長報告。エルヴィンからお願いします。
エルヴィン:《迫る刃に怯えよ・承》を習得。アイテムは買えないでしょうからアルケミストを取るのは見送り
エルヴィン:器用と生命が1ずつ上昇。以上です。
GM:はい。次、ミリティアナお願いします。
ミリティアナ:はい。知力25→26、精神力25→26へ、技能成長なしで、以上です。
GM:はい。次はイーリスお願いします。
イーリス:器用度18→19、敏捷度17→18。以上だ。
GM:はい。最後にリズベット。
リズベット:知力知力上昇。技能成長はなし。買い物もなし。以上。
GM:では始めていきましょう。ではまずOP。ミリティアナ以外の3人が登場です。
GM:君たちはスラムの牢獄に捕らえられていた。イーリスの怪我は手当がなされており、半日ほど休息を取れたので君たちの体調は万全だ。
GM:ただし武装はしっかり解除されており、見張りもいる。
リズベット:「ミリティアナの救出を待つしかありませんね。彼女は優秀ですから、きっと何か手立てを考えて実行してくれるでしょう」
エルヴィン:「そうだな。しかし、こいつら交渉が成立するとは、ただの魔神とは行動基準が異なるようだな」小声だが、聞こえても構わないだろう
エルヴィン:まるで自分と同じだ、とは言わないでおこう
イーリス:「普通ではない魔域のようだからな」
リズベット:「そうですね……スラムのならず者たちが魔神化していたとは予想ができませんでした。食料生産工場のセキュリティのように魔神が混ざるのは一体、どういう原理なのでしょう」
エルヴィン:「そうだな。魔神であることは見た通りだが……その行動原理は元の人間に極めて近いようだ。詳しくは知らんが、人間に擬態する魔神もいるんだろう?」
イーリス:「そもそも、国ひとつと同じものが魔域にあった、というだけで聞いたこともない」
イーリス:「魔域や魔神の研究家は国にはいないのか?」
リズベット:「詳しい者がいたところで、この奈落の魔域は特殊すぎます」
リズベット:「あくまで彼らは人族でありながら、魔神が混ざっているような状態のようでしたね」
イーリス:「そうなると、我々が見聞きしたことは真実だ。その前提で思考していこう」
イーリス:「何かしらの要因で魔神と融合したりする。魔動機でも例外ではない」
イーリス:「彼らの思考は人間に近い。そのつもりで接し、頭の片隅には魔神のことを留めておこう」
エルヴィン:「さて、差し当たった問題は、この状況だ。奴らを人間として対処するか、魔神として見るかの問題もあるが、まずはこの状況を脱しないとな」
イーリス:「人間に近いならば交渉できる。彼らの目的がなにか、だな」
GM:見張りはあくびをしながら君たちの会話に聞き耳を立ててはいるものの、何か言葉を挟むことはないようだ。
GM:突然、見張りが背筋を伸ばす。ガンズが見回りにやって来たのだ。
ガンズ:「大人しくしているようだな。それでいい。変なことを考えるとロクなことにならねえからな?」
リズベット:「…………」
イーリス:「とりあずは大人しくしているよ」
エルヴィン:「よう。手厚い保護、感謝するぜ」
ガンズ:「ふン。快適そうで何よりだ」
ガンズ:「とはいえ逃げたひとりがのこのこやって来ることもあるだろうからな。おい、見張りは気を抜くなよ?」
GM:見張りは元気よく「はい!」と返事をした。
ガンズ:「スラムは王国から独立する。これまでもそうだった。これからも、そうであるべきだ」
ガンズ:「お前たちはそのための交渉材料だ。上手く交渉がまとまれば、生きてここを出られるかもな」
イーリス:「独立か。独立して何をしたい?」
エルヴィン:「そいつは景気のいい話だな。だが、女王陛下への反乱分子がいつまでも見逃されていると思うなよ」
ガンズ:「別に。スラムの者にはスラムの者なりの生き方ってやつがあるってだけさ」
GM:ガンズは立ち去った。
リズベット:「……ミリティアナに期待して待ちましょう」
イーリス:「独立自体が目的になっているように思えるな。それだと先の見通しはあるまい」
エルヴィン:「そうだな。あいつとは、いずれ腹を割って話をしたいが、お互いの立場を考えるとそうもいかないか」
エルヴィン:「イーリスの言う通り、魔域に呑まれる前と違い、王国の庇護を離れて生きられるとは思えん。そして、この極限状況で、いつまでも寄生を続けるのを陛下も見過ごしはしまい」
エルヴィン:「さて、俺は休む。君達も休めるときに休んでおけ」
イーリス:「そうしようか。ある意味では、ここは安全な場所だ。寝具くらいはほしいものだがね」
リズベット:←眠らない種族
イーリス:寝ることはできるが寝なくていいメリア。
GM:ではシーン終了。続いてミリティアナのOPです。
ミリティアナ:はい。
GM:ミリティアナはあの後、すぐに城に戻り事の顛末を女王ヨルに報告した。結果、冒険者ギルドを取りまとめているニネットが呼ばれ、盗賊ギルドに向かうことになった。
GM:兄ハムラも同行したがったが、騎士が着いてくるような場所ではない、とニネットにピシャリと言われて引き下がった。
GM:というわけで、君はニネットと遺跡ギルドの奥にあるバーに入った。
ミリティアナ:「酒場は、初めてなのです……」
ニネット:「本業は学生だものな。まあ楽にしていていい。別に連中、噛みついてこないから」
ミリティアナ:「そうも言っていられないのです。早く皆さんを助けに行かないと……ッ」
GM:意外と清潔感のある狭い空間に、眼帯をした女性が出迎えてきた。ニネットはミリティアナを守るような立ち位置に陣取り、眼帯の女性に相対した。
ニネット:「メラヴィス。仕事の依頼をしたい」
メラヴィス:「そっちのお嬢ちゃんは特務部隊のミリティアナだね。スラムでトチったってのはどうやら本当らしい」
ミリティアナ:「(うぅ……もう知られているのです)」
ニネット:「隠し立てしても仕方ない。その通りだ。盗賊ギルドに捕虜となった特務部隊3人の救出を依頼する」
メラヴィス:「……いいよ。報酬さえ出してくれるならね」
ミリティアナ:「ど、どのくらいですか?」ミリティアナだと交渉初心者ムーブになるなぁ
ニネット:「要求は金でいいか?」
メラヴィス:「いや、金じゃない方が嬉しい。そうだな……スラム街の仕切りをしているガンズの身柄が欲しい」
ミリティアナ:「……情報が入っているのなら、正体も多少知っているのではないですか?それでも、なのです?」
ニネット:「ミリティアナの言う通りだ。そんなものどうするんだ?」
メラヴィス:「報酬の使い道に口を挟む気かい? ならこの話はなしだ」
ミリティアナ:「うぐぅ……仕方ないのです……」
ニネット:「……わかった。スラムを仕切っているガンズの身柄だな?」
メラヴィス:「交渉成立だ。よろしくな、ミリティアナお嬢ちゃん」
ミリティアナ:「よ、よろしくお願いなのです……」
ニネット:「……それで手はずはどのように?」
メラヴィス:「私とミリティアナお嬢ちゃんがスラムに忍び込み、特務部隊の3人を救出する。そしてその戦力でガンズを捕らえる」
ミリティアナ:「簡単そうに言うのです……。私は隠密は苦手なのです……」
ニネット:「……私は?」
メラヴィス:「金属鎧を着た奴と隠密行動はできない。もう用無しだ」
ニネット:「そうか。……ミリティアナ、すまないがここからはメラヴィスとふたりで行動してくれ」
ミリティアナ:まぁ、確かに(笑)
ミリティアナ:「うぅ……頑張るのです」
メラヴィス:「とりあえずミリティアナお嬢ちゃんは私についてくるだけだ。簡単だろ」
ミリティアナ:「邪魔しないように頑張るのです。だから、よろしくお願いするのです」
メラヴィス:「ああ、それでいい。じゃあ早速、出かけようか」
ミリティアナ:「行くのです……!」ちょっと汗ばむ手で杖を握りしめながら
GM:というわけで、ミリティアナとメラヴィスは牢獄へ向かいます。
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