2-3

その言葉に唖然となるみんな。

アタシはと言うと…その光景をただボーッと見ていた。


「…は?まじで?」

「どうすんだよ、お前…」


信じられない、という顔で大伍を見る陸哉に翼が焦ったように付け加えると


「まぁ、最後まで聞けって」


大伍はそれを至って冷静に受け流す。


「俺も最初は焦ったぜ?なんせ検査薬まで見せられてさ、まじかよ!!って」

「検査薬までって…すげ」

「龍、そこ感心するとこじゃねーから」

「…で?」

「でもよくよく考えてみたら俺ちゃんとしてたし、出してもねえよなって」

「ってことは要するに…」

「そう!」


そこで指をパチン!と鳴らした大伍はそのまま人差し指をみんなの前に突き出す。


「ぜーんぶハッタリだった!」


その言葉にどっとみんなの力が抜けて、翼なんかは心底ホッとしたような顔をしてみせた。


「んだよ~ビビらせんなし!」

「わりーわり!でも実話だぜ?」

「…女ってこえーのな」


最後に言った陸哉のその言葉に虎ちゃんは「ん~…」と小さく唸るとアタシへと視線をずらす。


「でも…怖くない女の人だっているじゃん!ねっ?歩っち」

「………」

「…歩っちー?」

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