第47話 奴隷解放編~ドキドキの野営(前半)
食事と休憩のおかげで体力を回復させた俺達はこの後一夜を過ごす野営地に向けて動き始めた。
大して疲れてなかった女性陣はいよいよ血気盛んだ。
今夜何が食べたいだのこれは譲れないだの言い争ってる。
時々俺にも注文をつけてくるのだが、実習中なんだから過大な要望はやめて欲しい。
そんなに食べたいなら自分で探せって話だよ。
パーティーの三人はそれでも希の背中で休む時以外は食材探しを手伝ってくれてる。
ウルマっちは希の背に揺られながら本当に申し訳なさそうだ。
問題は付き添いの三人だ。
林間学校か何かと勘違いしてないか?
もう一度言うが、護衛は?運営補助は?
少しは仕事をして欲しいものだ。
とは言えそんな事口に出そうものなら結末は見えている。
プチっとつぶされておしまいさ。
肉食女子の香り漂う伯爵令嬢の一にらみでオイラなんてカエルみたいに動けなくなっちまうぜ。下僕は下僕らしく黙って働くが吉ってね。
額にじんわりと汗が滲むころようやく頂上に到達した。
目の前にTP6があり、そこから先に野営地への道が続いていた。
ではここでのお題を見てみよう。
【机の上に並べられた宝箱を開けなさい。尚、箱を傷つけたり壊した場合は減点となります。宝箱を開ける秘訣は個人の力、あるいはパーティーが示す団結。だが、団結の前に個の力は遥かに
「崖で見つけた宝箱のカギ~!」
某猫型ロボットのように叫びながら道具袋から取り出すも、冷ややかな視線を浴びただけだった。ドラ〇モ~ン助けて~。叫びたい気持ちを抑えつつ宝箱に鍵を差し込んだ。オイラのノリについてこれるまでしつこく刷り込む必要があるようだね。
中からは何やらいわくありげな地図が出てきた。恐らくTP10で提出する宝の在りかを示しているのだろう。
普通宝箱の中には宝があるよね?どこもかしこもおかしいところだらけだ。
付き添うだけの上級生、宝のない宝箱。
次はどんな不思議がオイラを待っているのか。
さて、本来ならほとんどのパーティーがここで途方にくれる算段なのだ。
鍵はTP7の課題に直結している。
お題はこうだ。
【目の前にある崖の途中に看板を掲げました。そこに書かれた文字に従い行動してください。現地の職員または同行する上級生が達成困難と判断した場合は失格となりこの課題は未達成となります。尚、この課題を達成した証は思わぬところで貰えるでしょう。】
崖の途中の看板にはこう書かれていた。
「崖上の地面を掘りなさい。各パーティーは☆が記された場所を一か所だけ掘る事ができます。二か所以上掘るなど妨害行為が発覚した場合はその時点で実習は終了となります。」
その指示に従った結果、堀った穴の中に小さいゴーレムがいて、俺が触った瞬間に鍵に姿を変えたのだ。恐らくこのゴーレムが不正発覚を知らせる装置か何かなのだ。
尚、開錠魔法やスキル、アイテムでも開ける事が可能みたい。
周囲ではそうした個人技で宝箱を開け、ドヤ顔を見せつけてる
こういう輩は後で泣きを見る事になる。
何故ならTP6で団結の必要性を強調していた事に意味がなくなるからだ。
正規の方法でクリアしたパーティーはここでTP6だけでなくTP7の達成印がもらえるからわかるんだけどね。
さて、日暮れにはまだ随分時間があるものの、野営の準備を始めているパーティーもちらほらいるようだ。恐らく情報集めのために人数を分けなかった人達だろう。
個人技でTP6をクリアした事で油断しているのかもしれない。
仲間の到着を待っているであろう多くのパーティーを今は見下していればいいさ。
本当なら早い者勝ちの課題TP9をさきにつぶしておくという手もあるのだが、我らは崖を降りれるからね。
他のグループがグルリ半周以上しなければならない所を俺達は崖を降りて30分もかからない。だから全く焦る必要はないのだ。
それにルールをよく見たら、課題はTP5以外は番号の小さい方から順にクリアしないといけないのだ。だから、この後はTP8、TP9、TP10の順番になるため、どのパーティーも今日はこれ以上進めないのだ。
そんな訳で俺達は野営地に進みこれからたっぷり時間をかけて今夜の
調理場や水場に近い好立地は既に他のパーティーに占拠されてる。
TP6の周辺で仲間待ちをしているパーティーも場所取りだけは済ませているようだ。
だが、そんなのはオイラ達には全く問題なし。
却って何もないだだっ
そうして選んだ場所でオイラはみんなに言った。
「皆さん少し下がってて下さいね」
みんながどいたのを見届けてコンテナハウスを取り出す。
今回は改良版なので中にトイレや浴室があるのだ。
続けてコンロセットにテーブルセット、各種調理道具に素材にと、次々出していくとさすがにみんな固まってしまった。
見慣れてるはずのお嬢だってちょっと驚いてたな。
上級生たちは口をパクパクさせてて笑えるんですけど~。
レイチェル様は・・・おかしなスイッチが入っちゃったのかな?気がふれたみたいに高笑いを始めたぞ!
諸々面倒臭い事になりそうなので何事もなかったかのようにオイラは黙々と夕食の準備に取り掛かった。
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