第6話
「じゃあ、席は…後ろの…」
谷先生は学年主任になったが、このクラスの担任で。
相変わらずのんびりとした口調でそう言った。
三年になってから戻ってきても、あまり景色は変わっていないな。
どうやら空いている席は窓際の一番後ろ。
俺は谷先生の言葉にニヤリと笑い、割り込むようにして言った。
「俺、楓の前の席がいいです」
「えっ」
美沙正也は教室の後ろのほうで隣の席で、楓は窓際…その前には唯人がいる。
隣にいる楓も、席に座ったままの唯人もぽかんとした。
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