第22話

「れ、蓮先輩起きてたんですか?」


「いや、…寝てたけど」




少しかすれた低い声は、どこか寝ぼけたように丸みを帯びている。


こんなに素な蓮先輩を見るのは初めてで(というより全然知らないだけなんだけど)少し驚いた。




「もしかして、起こしちゃいました?」


「・・いや、そういうわけでもねぇ」




私が起こしたんじゃなかったら、ほかに絶対起きる原因はなかったはず。


わかりやすい嘘に、優しさを感じた。

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