第21話
私はフェンスを揺らさないように、蓮先輩から少しずれた所でフェンスを背にして座る。
そーっとお弁当を開け、もそもそと食べ始めた。
やけに緊張する。
起こさないようにしているからというのもあるけど、蓮先輩の背中から感じるオーラからくるものな気がする。
「…どうした」
私ができるだけ静かにお弁当を食べていたら、後ろ側からそんな低い声が聞こえた。
私は無駄に驚いてしまい、一瞬お箸を落としそうになる。
その声の主は確実に蓮先輩で、振り返ったが視線が合うことはなかった。
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