第4.5話 クラスメイトの1人を隷属させて

 「さすがに付き合うとかは…無理じゃない?」

俺は美優に追い討ちをかける。

「…でも私…どうしても修くんが…」

 引き下がらない美優。

顔色は真っ青…血の気が引いて、真っ白だ。

 俺に拒絶されたら、行き場が無い…そんな強迫観念が見え隠れしている。


 はぁ…

わざとらしく、溜息を出す。

「…じゃあ…湯浅が寂しいときとか、気持ち良くなりたいときは、傍に居るよ。」

美優の顔が一気に明るくなる。

「本来?本当に?」

「うん。俺は別に湯浅のこと、嫌いな訳じゃないから。どちらかと言うと、好きだったんだけど…」

言葉の端に美優を責めるニュアンス。

「…ごめん、なさい…」

俯く美優。泣いてしまいそうだ。

「だから、付き合う、とかは無理だけど、湯浅の傍に出来るだけ居てあげられるときは…それで良いかな?」


 俺は、美優にこう提案をした。

時間が合うときは必ず美優を抱く。

だから、他の男に身体を触れさせない。

俺が美優以外の誰かを抱いたとしても、それを許せないなら、美優を傍に置いておくことは出来ない。

 簡単に言えば、こうだ。

普通じゃない密約。

しかし美優は簡単に飲んだ。

 そもそも男性恐怖症で、俺以外の男性とは会話するのも怖いし、襲われた今となっては、あのときのことがトラウマになって、他の男に触られたりしたくない。

俺に捨てられたら…そう思うと目の前が真っ暗になったそうだ。


生来、寂しがりやだと改めて気づいて、俺を誘っても応えてくれなかったのが相当堪えたらしい。

寂しいのは嫌だから、合コンで彼氏を…とも思っていたが、鮮烈な俺との情事を身体に刻み込まれた上に2人組の男たちに襲われて、気が狂いそうだった、と独白する。

身体を重ねながら、何度もキスを求めては好きを連発している。

「俺に彼女が出来たら?」

「…嫌…」

「じゃ、傍には居られないよ?」

泣きそうな顔で、俯く。

「…わかった…可愛いがってくれるなら。…修くんの女にして欲しいの…恋人じゃなくてもいいから…」


「どうして金髪にしたの?」

行為の後、ふと美優に尋ねる。

「…地味で大人しそうに見えてたから…」

身体を俺に預けながら答える美優。

…だから狙われて襲われたんだと、言いたそうにする。

美優にとっては、後悔してもしたりない事実。

「あと…やっぱりちょっとツラくて…」

それはそうだ。男2人に襲われたんだから。

本人としては忘れたい事実だろう。

「でも、修くんとこうして居られるなら…」

何度も甘えてくる美優。

まるで生まれて初めて親を見た小鳥のような、そんな雰囲気さえある。

そうだ…初めから、俺にだけは恐怖心、異性に対する恐怖感が無い、と言っていた。

それもあるのだろう。

純朴だった女性が、盲信的に異性を信用するだなんて危険以外の何物でも無いんだが。

けれど、それが望みなら、出来る範疇で叶えてあげたいとは思う。


その日から、週に一度は泊まりに行ったり来たりするようになった。

最初は、あの2人組の男たちがまた来るかも、と美優が不安になっていたから、用心棒代わりに。

何気ないお泊まり会だったはずが、情欲に覚醒めた美優が我慢出来るはずもなく、俺が何もしなくても美優はすぐに甘えてきて、身体を重ねることに。

俺が傍に居るだけで、もう、たまらなくなるんだそうだ。

「大学で同じ講義を受けてたらヤバいんじゃない?」

「…うん…ヤバいかも。」

「だからか…結構俺たち、遠くに座ってるよね?」

「本当は…傍に座りたいけど…」


「ふふ。そうやね。2人して遅刻したら、教室の後ろの方で2人で座っちゃおうか?」

「専門のとき?」

「いや、一般の時じゃないと、クラスで噂になるよ?さり気なくじゃないと。」

「ああっ。ぅん…やだ、いきそぅ…」

「水曜日の一般教養の英語のときでも試してみる?」

「うん…ちょっと怖いけど…」

恥じらいながら、身体を預けてきた。


 純朴な少女が身体に快感を植え付けられて、雌になっていく。

 金髪ベリーショートになり、ピアス穴も開けてしまっているせいか、あの大人しい清楚な美優がここまで変わり果ててしまった。

 痺れるような快感によって、美優の瞳からは涙が溢れていた。


美優がベッドで甘えながら呟く。

「幸せ…」

「何が?」

「修くんとシていると、凄く満たされるの…」

「ふーん…」

「修くんは…経験豊富だよね…」

少し気持ちを沈ませて呟く美優。

「…まぁ…」

「もっと早く出会ってたら…良かったな…」

泣きそうな顔でしがみついてくる美優。

「そう?」

「そしたら、ちゃんと恋人になれたかも知れなかったから…」


 いろいろと後悔しているのだろう。

許す気はもちろん無いのだけれど。

「でも、3人で、とかは無いよ?」

だから、俺はまた、その傷口に塩を塗る。

そう言えば、美優がどう思うか、分かった上で、だ。

「…ごめん…なさい…」

また涙を零す。

激しい後悔の念で、泣きながら俺にしがみついてくる。

よほど、なのだろう。

「中に出されるの、許したんでしょ?」

強烈な一言。

「………」

無言のままの美優。

「2人に許してしまうのは…」

「1人だけ…」

「ん?」

美優がやはり涙を溢れさせながら答える。

「…もう1人は…口に…無理やり…」

嗚咽に近い涙。

辛い過去を俺に引き出されて、悲しいのだろう。

自業自得なのではあるが。


俺は尚も精神をなぶって、追い立てる。

「全部飲んだ?」

美優の精神を従順にするための追い込み。

そうすれば操り易くなる。

それは過去の経験からも分かっていた。


「……ううん…」

「中には何回?」

「…許して…」

本格的に嗚咽になる。


「美優のこと、よく知って置かないと、傍に居られないから。」

伝家の宝刀を抜く。

もしも、俺に対して本当に堕ちたなら、この言葉には抗えないだろう。

それはもう確信に近い勝利宣言。


「…1回だけ…」

絞り出すように言葉にする美優。

「そっか。」

 もう涙でベッドはぐしゃぐしゃになっていた。

後悔していることを好きな男になじられたのだ。

そのまま捨てられてもおかしくはない。

でも、それは嫌なのだ。


「俺に…愛されたいの?」

耳元で甘く囁く。

耳を甘噛みしながら。

「うん!愛して欲しい…いっぱい、傍に居させて欲しい…」


「美優は俺のモノになってくれる?」

そう言いながら、美優を抱き締める。

「うん…修くんのモノになるから…だから…」


 そうして、俺は都合の良い雌、『候補』を手に入れることが出来た。

しかし、まだ…誓いのための『候補』が全然足りない。

 これから…もっと頑張らなくてはいけなかった。



※第4.5話から第7話に飛びますが、合っています。原作の1〜6話が、投稿の0.5〜4.5にあたるためです。






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