第2話
同級生で幼馴染で腐れ縁の、
近所に住んでいるのもあって昔は仲が良かったけれど、中学生になったあたりから冷たくなった悠聖とは、同じ高校に進学してからもほとんど口を利いていない。
今思えば、それは思春期特有のものだったのだろうけど。
けれど、3年近くロクに会話のなかった従兄と今更どう接していいのか分からなかった私は、サラサラとボールペンを走らせる音を聞きながら、ページの上で視線を滑らせることしか出来なかった。
「何読んでんの?」
不意に。
ひょいと手元を覗き込まれて、体が硬直する。
あ、それ俺が昔貸してたやつじゃん、とあっけらかんとした声が鼓膜を揺らしたかと思えば、当たり前のように隣に腰掛けてきた悠聖にはっとして、その肩をぐいと押し戻した。
「え、なに?」
「こっちのセリフですけど?」
「なに、俺のこと意識しちゃってんの?」
図星だった。
従兄なのに気にしすぎかもしれないけど、でも、この部屋に男の子が入ってくるのだって3年以上ぶりなのだ。
小学生だった頃とはワケが違う。
と言っても、当時から悠聖以外の男の子は入れたことはないけれど。
うぐ、と口を
あ、笑うと垂れ目になるとこ、変わってない。
「いいじゃん、久しぶりに仲良くしようよ」
俺も漫画読もうっと、と本棚から漫画を数冊抜き取ると、悠聖も私の隣に胡座をかいて座った。
―――私、許可してないのに。
「それ、読み終わったら帰ってよね」
「はいはい」
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