大鷲の翼は漆黒の獅子を抱く

秋月真鳥

一章 私の知らない私

1.桜並木で出会った美形

第1話

枠から外れたことのない人間だと思っていた。

 祖父がアフリカ系なので濃い色の肌と癖の強い髪、黄色っぽく見える目と女性にしてはやたらと高い身長を持つくらいで、性格は大人しく、特に目立ったところはない。

 仕事も大学を出てから入った法律事務所の事務員をずっと続けていて、他に何の経験もない。

 恋愛だって、180センチ近い長身と大柄な体付き、濃い顔立ちで遊んでいると思われているが、全く縁のないまま35歳の誕生日を迎えて、結婚もしないまま、一人で施設にでも入って老後を過ごすのかと考えていた矢先のこと。

 私、瀬尾せお蜜月みつきに、大事件が起きた。

 これは、私が自分の知らなかった私と出会う物語である。

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