「貧困」、「サブスク」、そして「地獄」

 放課後の文芸部室。今日はなぜか、後輩の机にクレカの明細っぽい紙が散らばっていた。


「……おい、お前。なんだこの“利用履歴”の山は」


「先輩、わたし、サブスク貧乏になりました……」


「なんだその響きだけおしゃれな地獄」


「今月の出費、音楽サブスク、動画サブスク、書籍サブスク、ゲームサブスク……」


「多すぎんだろ」


「しかもほとんど使ってません……」


「一番ダメなやつだな」


「“最初の1ヶ月無料!”に釣られて、気がついたら月額地獄です……」


「自業自得って知ってるか」


「しかも今日、“月末の更新日”なんです……」


「それで明細とにらめっこしてんのか」


「はい……今、わたしの銀行口座が砂漠です」


「乾ききってるな」


「そのうち、“次に課金するものを決めるサブスク”が出るんじゃないですかね……」


「そのサブスクだけは申し込むな」


「というわけで、先輩! このサブスク地獄から抜け出すための詩を書いてください!」


「なんで俺が」


「文芸部って、感情のはけ口を創作に変える部活じゃないですか!」


「まあ……否定はできんけど」


「なので! タイトルは『月額980円の業火』で!」


「いや、それもう現代資本主義への告発だろ」


「サブスク、それは気軽に始まる小さな火種……気づけば財布を焼き尽くす……」


「詩的に言えば何でも許されると思うな」


 その後、後輩は“サブスク断ち”を誓い、スマホのアプリ整理を始めた。






「これで……音楽サブスク解約……」


「ふむ」


「動画サブスクも……解約……」


「勇気あるな」


「書籍サブスクは……とりあえず保留で」


「いや、それ一番金かかってるだろ」


「逆にそれがないと心が貧困になりそうで……」


「うまいこと言った風にして甘えるな」


 結局、後輩のスマホには最低限のアプリと、文芸部のチャットツールだけが残された。





「はぁ……これで私、ひとつ賢くなりました」


「その顔で言っても説得力ゼロだぞ」


「でもでも! 創作って、心の余白から生まれるって言うじゃないですか!」


「つまり?」


「サブスク全部消した今、わたしの心、めっちゃスカスカです!!」


「それ“余白”じゃなくて空洞だよ!!」

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