星春(せいしゅん)★らぶStoryS

ぐりーんそぃびーんず

第1話

毎夜、満天の星が咲く地で、北斗家に長女として生まれ、祖父に七星-なほ-と命名を頂き、誰もが知るあの震災に、幼稚園で被災、母と妹は家で、海の男だった父は海に飲み込まれ、たった1人生き残った私は、プラネタリウムを経営する祖父に引き取られた。


北斗七星という壮大な名前で、祖父の営むプラネタリウムを毎日手伝い、星に囲まれて育った私は星が名前に入る、天文学が学べる寮のある星原大学に進学した。

卒業後は祖父のプラネタリウムを継ぐ予定。


今日は入学式、式が終わり教室へ。


担任が挨拶しているのをぼーっと見ていると、担任が今日はくじで委員を決めると言い出した。


くじを引くと、保健委員になってしまった。。


「あー委員会当たってしまったー。保健委員とかめんどくさっ」


斜め後ろに座って居た黒髪ロングの一見大人しそうな女子が声をあげた。

咄嗟に振り向いてしまって目があって、保健委員って書かれた紙をチラッと見せると笑顔を見せてくれた。


「相方みーっけ!私、羽純!水島羽純-みずしま はすみ-」


学生証を見せてくれた水島さんに私も慌てて学生証をポケットから取り出す。


「あ、北斗七星-ほくと なほ-です。よろしくお願いします。」


「北斗七星!すごーい!天文学やるための名前よね!羽純でいいよ!仲良くしてね!各委員4人って言うてたからあと2人だねー。どんな子かなあ?」


「ありがとう。私も七星で。こちらこそ仲良くしてください」


担任によると、今日、夕飯の時間に今年度の生徒会の発表があるらしい。

生徒会って学校側の指名なの?!


。。。。。。。。。。。。


寮に戻り、夕飯のために食堂に向かう。


「なーほ!」

「羽純。」

「さっき、保健委員の子もう1人見つけたんよ。夕飯誘ったから一緒に食べようよ!」

「うん。ありがとう」


羽純はめっちゃ話しやすい。

すごい大人しそうな印象なのに、常にニコニコ可愛い。

初日に話せる子が出来て嬉しいなぁ。


「羽純!」

「やっほー。さっきぶりw」


声の方を見ると、背の高いボーイッシュな子と、ゆるふわな子がこっちに向かって歩いて来ていた。


「七星、ショートカットの子がさっき知り合った保健委員の子。」


「金城 雅-かねしろ みやび-です。よろしくお願いします。あと、こっちは幼なじみの月山 杏優-つきやま あゆ-、あゆも保健委員に当たったから4人揃ったねー」


「月山 杏優です。よろしくお願いします」


「そーだったんだねー。水島 羽純です。羽純で良いよー。よろしくね。」


「北斗七星です。七星で大丈夫です。」


「北斗七星って書いて、ほくとなほっていうんだよー。めっちゃ綺麗な名前だよねー」


「ホントに?めっちゃ素敵ー!」


「羽純も杏優ちゃんもありがとう///」


「杏優でいいよ。」

「私も雅でいいからね。あ、私、2年に従兄弟が居て、従兄弟と一緒にご飯食べるから、みんなで一緒に良いかな?」


。。。。。。。。。。。


食堂の窓際の席に行くと先輩が2人、手を振っている。


「「雅!」」


「従兄弟で2年の海-かい-と天-てん-。見ての通り双子なんだわ。」


「金城 海です。雅、もう友達できたの?」

「杏優は知ってるよね?羽純と七星、今日、委員会決めのくじ引きしたらこの4人が保健委員だったの。で、お友達になったんよ」


「俺らも保健委員だよ」


「「よろしくお願いします」」


~♪~♪♪~


羽純、雅、杏優、海先輩、天先輩とワイワイ夕飯を食べていると館内放送のベルが鳴った


〝皆さん、スクリーンをご覧ください〟


スクリーンには理事長が。


「皆さんお疲れ様です。

今年度の生徒会メンバーを発表します。

会長 2年 金城天

副会長 1年 水島羽純

会計 2年 木下 歩夢

書記 1年 火野 遥


以上です。活動は明日からとします。ではよろしくお願いします。」


「羽純、副会長!」

「なぜ?」


「天、会長だって」

「ま、拒否できないし、羽純ちゃんよろしくね」

「はい///よろしくお願いします」

「この後生徒会集めようか。火野さんって子わかる?」

「はい。」

「じゃあ、俺の部屋にしよう。2階の3号室。火野さん連れてきてくれる?俺、木下誘うよ」


。。。。。。。。。。。。


-HASUMI-



学校から寮に移動しようとしてた時、私と七星の会話を聞いていたという雅に話しかけてもらった。

食堂で七星をつかまえて、雅と合流したら杏優も居て、保健委員そろった〜!嬉しい!


そして、雅の従兄弟⋯双子⋯


あ!!!


私は1年前、この大学のオープンキャンパスに友達と参加した。その時、友達がもらった資料で手を切ってしまって保健室へ行ったら、2人の先輩と先生が居て、私の友達は「天ちゃん」って呼ばれてる先輩に処置してもらった。


友達は消毒が痛かったらしく、「痛っ」って言ってて、処置が終わった後、その先輩は飴をポケットから取り出して「よく頑張った」って友達に渡してて、私にも「付き添いお疲れ様」ってニコッと笑って飴を1つくれた。

その笑顔が可愛くて、ドキドキがしばらく続いていたのを忘れられない。


その先輩と一緒に生徒会⋯


めっちゃ緊張するよー。っていうか、生徒会なんて私に務まるのかな?


夕飯が終わって、火野さんを見つけて、天先輩の部屋に一緒に向かうと、木下先輩も来ていて、顔合わせと挨拶を済ませて、少し話していると、近くの丘のある公園はすごく星が綺麗に見えると天先輩が教えてくれて、コンビニに行くから寄ってみますって伝えたら一緒に行こうって誘ってもらった。


やばい///めっちゃ緊張する///


1度部屋に戻って、玄関に行くと、天先輩が笑顔で待っていた。


ドキドキが止まらなくて、多分ぎこち無い感じになってると思う。。。


コンビニに行って飲み物を買って公園へ。


丘のベンチに座って見上げた夜空はとても綺麗で、天先輩が「半分こ」って、2つに割れるアイスを半分くれたから食べながらたくさん話した。


アイスに目を輝かせる先輩は可愛くて、優しい笑顔でドキドキした。メッセージアプリを交換して、寮に戻り、寝るまで天先輩とアプリで話していた。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

‐TEN‐


今日から夕飯を一緒に食べる約束をしていた1つ年下の従姉妹の雅を待っていたら、何度か会った事ある、杏優ちゃんと女子を2人連れてきた。

雅が珍しく友達作るの早って思ったら同じ保健委員に当たったらしい。


俺と海も1年から保健委員をやってる。


雅の友達の杏優ちゃんは、相変わらずふわふわ女子だ。


七星ちゃんは、素朴な綺麗女子って感じ。

羽純ちゃんは一見大人しそうな大きな目と漆黒の黒髪が綺麗な子で、目があった瞬間くしゃっとニコッってしてくれた、その笑顔が綺麗で可愛くて、目を奪われていた。


よく笑って、凄く明るくてニコニコしてる。

夕飯を食べる前に髪を結んだ羽純ちゃんがまた可愛くて、夕飯をパクパク食べる姿にも目を奪われてた。ハムスターみたい。


生徒会の発表があって、俺が会長に指名された。

めちゃくちゃ不安。。。けど。。羽純ちゃんも一緒なのは嬉しい。

羽純ちゃんとメッセージアプリの交換したいな。

けど、1人だけに皆の前でっていうか、海の前で聞きづらい、、、あ⋯生徒会で顔合わせしよう。


夕飯から部屋に戻る前に木下に声をかけて、部屋に戻り、部屋の掃除をしてみたりしていると、木下が来てすぐ後に羽純ちゃんと火野さんが訪室。


なかなか穏やかな面々かな。


木下が最近、朝散歩にハマっているらしく、俺はやっぱり星が見たいから夜散歩派って話していて、近くの丘のある公園は星が綺麗に見えるということを羽純ちゃんに教えたら、この後コンビニに行くから寄ると言うので、一緒に行こうって誘ってみた。


玄関で再集合した羽純ちゃんは、ブルーのカーディガンを羽織って来ていて、めちゃくちゃ可愛い。


羽純ちゃんは常にニコニコしていて、しっかりとまっすぐに人の目を見て話す子で、大きな目に吸い込まれそうな感覚がある。


メッセージアプリの交換もできて、久しぶりに寝るまで、女子にドキドキするという感覚を楽しんでいた。


翌朝‐2年・教室‐


「てーん。おはよん」

「海おはよう」


授業の準備をしていると、海が前に座った。


「昨日、夜どっか行ってたの?」

「へっ??な⋯なんで?」

「声裏返ったw母さんから、電話きて何か送って貰うものあるか聞かれたから天にも聞かないとと思って部屋行ったら鍵閉まってたから」


「ああ、散歩してた」

「ふーん。声裏返ったからデートかと思って期待したのにw」

「デ///」

「赤いよw天君隠せないねーw誰と?」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯羽純ちゃん」

「おぉ〜頑張れw弟よw」


♯2へつづく








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る