第11話 「取りあえず、初任務お疲れ。」
「多分、この後はパパラッチ位になるだろう。」
「カジワラさんどういう事ですか?」
「警戒態勢レベルを下げるって事だ。」
「何でですか?」
「情報セキュリティ部の分析の結果だ。
京都でのテロ組織逮捕によってフランスでも関与したとされる組織が摘発されたとの連絡もあった。
恐らく、今回のマル対をターゲットにした依頼主が壊滅したから襲撃は無いと判断されたという事だ。
まだ、マル対には伝えるなよ。何があるか分からんからな。」
今日もホテルの部屋のチェックをしようとして気付いた。
「何か雰囲気が変わりましたね。」
「どうした?タチバナ。」
「タカヤマさん、何か周囲の緊張感が緩くなったと思いませんか?」
「ああ、警戒態勢レベルが下がったみたいだ。フランスの方で動きがあったらしい。おそらくもう襲撃は無いと本部は見ているようだな。でもマル対にはまだ伝えるなってカジワラさんからの指示だ。」
「了解しました。」
『アサコ、おはよう。』
『ルイーズ、おはよう。ミセス・ローレン、ミスタ・ジャン、おはようございます。』
『ああ、楽しかった休日が夢のようだ。ルイーズ、パパは離れるのが寂しいよ。』
『パパ、ミスタ・イノウエが待ってるよ。でも早く帰ってきてね。』
『OK、パパ元気出たよ、行ってくるね。ミスタ・イノウエ、今日も頼むよ。』
『承知しました。ミスタ・ジャン。』
『行ってらっしゃい、ジャン。』
『パパ、行ってらっしゃい。』
外を見ると、本当に監視チームらしき奴らも居なくなっている。
そりゃ、依頼主が居なくなってお金が支払われないなら居てもしょうがないよね。
バレて捕まる前に逃げ出すよね。
ああ、ルイーズ達に何事も無くて本当に良かった。
よし、残り2日間もしっかりと努めよう。
あっという間に2日間は過ぎた。
『アサコと一緒にいたいよ。』
『ルイーズ、アサコを困らせないで。』
『ルイーズ、嬉しいけどずっと一緒はムリよ。あなたはパリへ帰ってお友達と学校に行くんでしょう?』
『パリでもボディーガードの人はいるわ。その人と替わってもらってよ。』
『その人は日本語話せないでしょう?日本には来れないわ。
それに私はこの前までパリに居て日本に帰って来たばかりなの。もう少し日本で過ごしたいわ。
でないと次にルイーズが日本に来てくれた時にいろいろ紹介できないでしょう?
新しい日本の和菓子や美味しい日本料理を紹介したいわ。
だから、またルイーズが日本に来てくれるのを待っているわ。』
『うん、分かった。またイチゴ大福食べたいから日本に来るね。その時はまた一緒に食べようね。』
『楽しみに待ってる。』
『アサコ、本当にありがとう。専属になって貰いたい人は久し振りよ。振られちゃったけど、また日本に来た時はお願いね。』
『ありがとうございます。本当に光栄です。でもまだ未熟なのでもう少し頑張って日本で頑張ります。
また、将来もそう言って貰えるようならまた考えます。』
『その時を待ってるわ。』
ふー、終わってみたらあっという間だった。
怒涛の約20日間だった。
ていうか、初任務がこれって結構濃くないですか?
あー疲れた。確かに休みなかったから疲れたな。
まぁ、しっかり寝れたから体力は全然大丈夫だけどね。
チームでやるのって良いよね。
リスクも分散できるしお互いにフォローしあえるって楽しい。
この仕事は確かに私に合っているのかもしれない。
「タチバナ、装備のチェック行って来いよ。」「はい、了解しました。」
「装備の返却に来ました。確認お願いします。」
「はい、チェックOKです。サインお願いします。」
「特課期待の新人、無事初回任務完了だね。」
「期待の新人とか止めて下さいよ。全然ですよ。」
「普通、特課に配属になるには最低でも警護課で5年位経験してから上がるのに、新人で特課とか初めてのケースだよ。期待以外の何物でもないよ。」
「そうそう、しかも3年目の期待のエース、イノウエさんとホシノさんのうち、イノウエさんが特課に召集され、次がホシノさんかと思いきや、タチバナさん召集されるとか。
でもタチバナさんは、入社時点で既に即時対応訓練全科目レベルⅢをクリアするとか超人か?という評価が出た事も驚き。」
「そんな評価なんですね。ふーん。」
「流石は大型新人。動じてないな。」
「だって、ホシノさんもレベルⅢクリアしてますよね。」
「ホシノ君、凄く頑張ってるんだよ。そろそろ本部道場からも声掛かるかもって言われているし。」
「ちょっと戦闘訓練で優しさが出ちゃうんだよね。」
「あー、それ分かります。ホシノさん優しいから殴れないんですよね。私、自分がオカシイの分かるんで。普通は全力で殴れないんですよ。私出来るんで、その辺ですかね。」
「あー、成程、向き不向きがあるのかもね。」
お姉さん方ちょっと引いてる。
そうだよね、普通はそういう反応だよ。
ホシノさんは特課じゃない方が良いと思うなぁ。
『今夜1900に寿司屋で集合』
『了解です』
「取りあえず、初任務お疲れ。」
「ありがとうございます。皆さんのおかげで何とかやれました。」
「カジワラが良い買い物したって言ってたぞ。」
どこで買われてきたんやろ?私。
「大将、女将さん、この前はありがとうございました。急なお願いを聞いて頂き助かりました。部長も無理言ってすみませんでした。」
「こっちも稼がせてもらえるから大助かりだよ。」
「ホントよ、犬塚さん、滅多にお客さん連れてきてくれないから。」
「部長、それは良くないですよ。こんなに良いお店なんですから。」
「確かにな、でもな、アサコ。良く考えろ。ただでさえミシュランに載ったりして人気出て困っているのに、更に流行って気軽に予約取れなくなってみろ。滅多にこの寿司が食べれないんだぞ。」
「でも、この店はもっと繁盛しても良いはずです。」
「ていうか、大将、そんなに沢山予約は取らないでしょう?」
「確かにな、ウチは本家の御用達だからな。」
「本家ってどこですか?」
「キソウ道場の本家だ。絶対外で言うなよ。」
「分かりました。」
「まぁ、何にせよ、良くやったよ。鷲尾も褒めてたぞ。」
「何でオッサンが?」
「フランスに出張ったのは鷲尾だ。」
「あー、成程、そういう事ですか。」
「そういう事だ。」
「ウチの諜報部って凄いんですね。」
「何言ってんだ?お前のフランス時代の所属は諜報部だぞ。」
「へ?」
「当たり前だろう。当然管理してるわ。」
「知らなかった。」
「だろうな。だからお前の社歴は5年目になるから、実は大抜擢の召集ではないというオチ。でも最年少は間違いないんだ。誇っていいぞ。」
「そんなの出来る訳ないですよ。まだまだ教わることばっかりで。」
「そうだな、戦闘能力ではピカ一でも未経験だものな。そうそう、大東さんが手ぐすね引いて待ってるぞ。」
「えー、ちょっと休みたいです~。」
「まあ、がんばれ。」
ボディガードは楽じゃない(仮) Mr,Nrke @naruoke1
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